携帯端末で利用するための手順
Fess 2.0をインストールおよび起動してあるものとします。
docomo用ウェブクロール設定の登録
docomoの端末で検索した場合だけで検索結果を表示するウェブクロール設定を作成します。
まず、管理ページであるhttp://localhost:8080/fess/adminにアクセスし、ログインしてください。デフォルトではユーザー名、パスワードともにadminです。管理ページの左側から[ウェブ]を選択してください。初期状態では何も登録されていないため、[新規作成]を選択します。
今回は、携帯端末サイトではない、http://fess.sourceforge.jp/ja/以下のすべてのページをクロール対象とすることにします。docomo端末で表示可能な携帯サイトがあれば、http://fess.sourceforge.jp/ja/の代わりにそのサイトをURLに指定します。
また、[ブラウザ]にDoCoMoだけを選択し、docomo端末だけで表示されるようにします。auやSoftbank端末で表示したい場合はここでそれらを選択します。後は[ユーザーエージェント]にdocomo端末のユーザーエージェントを指定します。今回は「DoCoMo/2.0 P903i」を入力します。
その後、確認画面で[作成]をクリックすることで、クロールの対象を登録できます。登録内容は、[編集]から変更することが可能です。
モバイル変換の設定
検索結果がPCサイトである場合はGoogle Wireless Transcoderを利用するように設定します。検索対象にPCサイトを含まず、携帯サイトだけである場合はこの設定は必要ありません。
管理ページの左側から[クロール全般]を選択してください。[モバイル変換]でGoogleを選択します。
[更新]をクリックして設定を保存します。
インデックス化
携帯端末用設定の完了後、クロールを開始して検索対象のインデックスを作成します。管理ページの左側から[システム設定]を選択してください。
[開始]をクリックして、検索対象のクロールおよびインデックス化を開始します。しばらくするとクロールが完了します。
検索
まず、Internet ExplorerなどのPCブラウザで検索してみます。http://localhost:8080/fessにアクセスして、Fessを検索します。
ウェブクロール設定で設定したとおり、検索結果がPCブラウザでは表示されないことが分かります。
次にdocomo端末でアクセスします。今回は実際の端末ではなく、FirefoxでFireMobileSimulatorアドオンを利用して結果を確認します。FireMobileSimulatorは、主要3キャリアの携帯端末ブラウザをシミュレートするFirefoxアドオンです。FireMobileSimulatorをFirefoxにインストールして、Firefoxのメニューから[ツール]の[FireMobileSimulator]からdocomo端末のDC P903iなどを選択します。この設定によりFirefoxはアクセスしたときにP903i端末の環境をシミュレートします。PCブラウザの場合と同様にhttp://localhost:8080/fessにアクセスして、Fessを検索します。
今度はウェブクロール設定で指定した検索対象が表示されます。また、検索結果のリンクをクリックするとPCサイトが携帯端末用に変換して表示されるのが分かります。
まとめ
全文検索システムであるFessの携帯端末への対応方法を紹介しました。簡単な設定をすることで3大キャリアの携帯端末に検索機能を提供できることを紹介できたと思います。また、携帯電話は定期的に新機種が発売されますが、Fessでは最新の端末情報ファイルを「webapps/fess/WEB-INF/classes/device
」に置くことで対応することが可能です。端末情報ファイルの更新方法についてはそのディレクトリ内のREADMEをご覧ください。
次回は、利用者の認証状況により検索結果を表示結果を切り替える、ロール機能について紹介します。