SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Log Parserでログを統合的に扱い運用保守に役立てる

Log Parserでログを統合的に扱い運用保守に役立てる(基本編)

Log Parserの使い方をマスターしてログを効率的に監視する


  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

出力形式と出力先の制御

 引き続き、出力形式と出力先について解説します。

出力形式の設定(-o:XXX)

 再び、例1を見てみましょう。「-o:」パラメータについては説明済みですが、念のため動作を確認してみます。

表(-o:NAT)形式で出力
LogParser -i:FS -o:NAT "SELECT Path,Size FROM log*.* ORDER BY Size DESC"

 「-o:NAT」と指定されているため、表形式で出力されています。

表形式出力結果
Path                                                                  Size
--------------------------------------------------------------------- -------
C:\Program Files\Log Parser 2.2\LogParser.dll                         1280248
C:\Program Files\Log Parser 2.2\LogParser.exe                         1237744
C:\Program Files\Log Parser 2.2\LogParser.chm                         732567
C:\Program Files\Log Parser 2.2\Samples\Scripts\LogonMonitor.vbs      3396
C:\Program Files\Log Parser 2.2\Samples\Queries\LogonFailureStats.sql 2644
C:\Program Files\Log Parser 2.2\Samples\Queries\LogonFailures.sql     272
C:\Program Files\Log Parser 2.2\Samples\Queries\LogonSuccesses.sql    271

 この出力形式を「-o:NAT」から「-o:CSV」に変更してみましょう。

CSV(-o:CSV)形式で出力
LogParser -i:FS -o:CSV "SELECT Path,Size FROM log*.* ORDER BY Size DESC"

 CSV形式に変わったことが分かります。

CSV出力結果
Path,Size
C:\Program Files\Log Parser 2.2\LogParser.dll,1280248
C:\Program Files\Log Parser 2.2\LogParser.exe,1237744
C:\Program Files\Log Parser 2.2\LogParser.chm,732567
C:\Program Files\Log Parser 2.2\Samples\Scripts\LogonMonitor.vbs,3396
C:\Program Files\Log Parser 2.2\Samples\Queries\LogonFailureStats.sql,2644
C:\Program Files\Log Parser 2.2\Samples\Queries\LogonFailures.sql,272
C:\Program Files\Log Parser 2.2\Samples\Queries\LogonSuccesses.sql,271

 このように「-o:」のパラメータを設定することで出力形式を変更できます。

出力先の設定(INTO)

 次に出力先を設定してみましょう。出力先を設定するには、FROMの前に「INTO 出力先」を追加します。

 以下のクエリを実行すると、コマンドプロンプトに結果が表示されない代わりに、作業フォルダに「output.csv」というファイルが生成されます。

CSV形式で「OUTPUT.CSV」に出力
LogParser -i:FS -o:CSV "SELECT Path,Size INTO output.csv FROM log*.*
 ORDER BY Size DESC"

 表形式(-o:NAT)とCSV形式(-o:CSV)ではINTO句に次の項目を設定できます。

表形式(-o:NAT)とCSV形式(-o:CSV)で利用できるINTO項目
項目
出力ファイル名C:\Output.txt
STDOUT標準出力(コマンドプロンプト)
注意
 表形式(-o:NAT)とCSV形式(-o:CSV)では、INTO句を指定しなくてもエラーになりませんでした。これは、既定の設定が「INTO STDOUT(標準出力)」となっているためです。そのためINTO句を設定しなくてもコマンドプロンプトに結果が表示されます。

 INTOで指定できる項目は出力形式によって異なります。下表に簡単に整理します。

各出力形式で設定できるINTO項目
出力形式名INTO項目説明
CHART出力ファイル名INTO Report.gifGIFまたはJPGファイルのグラフを出力
CSV出力ファイル名INTO Report.csvカンマ区切り形式のテキストを出力
DATAGRID"DATAGRID"固定INTO DATAGRIDプログラム中でスクロール可能なグリッドに出力
IIS出力ファイル名,STDOUTINTO Report.logIISログファイル形式で出力
NAT出力ファイル名,STDOUTINTO Report.txt表形式のテキストを出力
SQL出力テーブル名INTO LOGS_TBLSQL Server/Ms-Access/ODBC準拠データベースにログを出力。接続設定は「-server:」「-username:」パラメータなどで設定可能
SYSLOGSyslogサーバ,出力ファイル名,STDOUT,ユーザー名INTO @SYSLOGSVUNIX標準のイベント記録機能「SYSLOG」形式で出力
TPL出力ファイル名,STDOUTINTO Output.htmlテンプレートファイルを読み込み、値をはめ込んで出力する。テンプレートファイル名は「-tpl:」パラメータで設定
TSV出力ファイル名,STDOUTINTO Report.txtタブ区切り形式のテキストを出力
W3C出力ファイル名,STDOUTINTO Report.logW3C拡張ログファイル形式で出力
XML出力ファイル名,STDOUTINTO Report.xmlXML形式で出力

 詳細は、ヘルプの目次を[リファレンス]-[出力形式]-[(出力形式名)]-[Into-Entity構文]とたどって、設定できるINTOの項目を確認してください。

まとめ

 以上、Log Parserの基本的な使い方、クエリ、出力形式、出力先の記述方法について解説しました。ここまでの解説について整理します。

  • Log ParserはMicrosoftが提供するフリーのツールです。
  • さまざまな情報をクエリを使って簡単に抽出できます。
  • ファイル、イベントログなど多数の入力形式を選択できます。
  • 入力形式に応じて、指定できる列名、リソース(FROM ~)が異なります。
  • 表形式やCSV形式など、さまざまな形式に出力できます。
  • 出力形式に応じて、指定できる出力先(INTO ~)が異なります。
  • 入力形式・出力形式に応じて、選択できるパラメータが異なります。

 引き続き、後半の実践編では、監視に役立つクエリやスクリプトを作成していきます。もし、Log Parserに興味をもたれた方は、実践編にも目を通していただけると幸いです。

参考資料

  1. Microsoft TechNet スクリプトセンター Log Parser
  2. Microsoft ダウンロードセンター Log Parser
  3. Microsoft TechNet コラム Log Parser 2.2 の動作方法
  4. Microsoft TechNet スクリプトセンター ログこそすべて(Log Parserについて)
  5. eXperts Connection Log Parserフォーラム

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Log Parserでログを統合的に扱い運用保守に役立てる連載記事一覧
この記事の著者

WINGSプロジェクト 青木 淳夫(アオキ アツオ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/540 2006/10/11 19:39

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング