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Silverlight 4で作る新しいRIAアプリケーション

MVVMによるSilverlightアプリケーションの開発(その2)

Silverlight4で作る新しいRIAアプリケーション(7)

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ダウンロード sample.zip (177.5 KB)

MVVMフレームワーク

 実際にアプリケーション開発でMVVMを利用する場合、ここまで説明したViewModel本体の実装やRelayCommandの実装以外にも、ページ遷移時にSilverlightのページ同士でメッセージをやり取りしたり、ViewModelのインスタンスをデバック時と実行時に差し替えたいといった要望が出てくるでしょう。

 このような場合、既に存在するMVVMフレームワークを利用するというのも一つの手段です。「MVVM Frameworks Explorer」にSilverlightで利用できるMVVMフレームワークをまとめたリストがあります。

 今回は、この中からMVVM LightToolkitの導入方法を簡単に紹介します。

MVVM LightToolkitが提供する機能

 MVVM LightToolkitはMVVMパターンの基本機能のみを提供する、きわめて軽量なツールキットです。MVVM LightToolkitは次の機能をSilverlightやWPFに提供します。

ViewModelBase

 ViewModelのベースとなるクラスです。INotyfiPropertyChangedインターフェイスの実装や、現在ページがコマンドを発行していいかといった情報や、デザインモードであるかといった情報があらかじめ定義されています。

RelayCommand

 MVVM LightToolkitには、今回紹介したジェネリック版のRelayCommandのほかに、引数を受け取らないタイプのRelayCommandも含まれています。

Messenger

 一覧画面と詳細画面のように、画面が複数のページに分かれている場合や、メインページとダイアログのようにページ同士でメッセージをやり取りしたい場合に利用するメッセージングの仕組みが提供されます。

 メッセージングの利用方法については本連載の範疇を超えているので、ここでは紹介しませんが、WPFやSilverlightoでのメッセージングについてはugaya40さんのブログで詳しくまとまっているので、「MVVM勉強会資料」を参照してください。

Visual Studio、Expression Blend

 Visual StudioやExpression Blendのプロジェクトテンプレートや、アイテムテンプレート、コーディングを行う時のコードスニペットが提供されます。

図5 MVVM LightToolkitで提供されるテンプレートやスニペット

EventToCommandBehavior

 今回紹介したInvokeCommandActionビヘイビアの機能に加え、イベント引数(EventArgs)などを指定できるようにしたビヘイビアです。

WindowsPhone7

 今のところ、WindowsPhone7に搭載されている実行環境はSilverlight 3ベースです。

 Silverlight 3では、コマンドバインディングのサポートがないためにMVVMの適用が難しかったのですが、MVVM LightToolkitを利用すればこの敷居が一気に下がります。

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Silverlight 5とMVVM

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト かるあ (杉山 洋一)(カルア(スギヤマ ヨウイチ))

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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