帳票作成・保守の工数を大幅に削減する帳票システム
中央コンピュータシステムは、JAグループのSI企業。2011年には創業50周年を迎え、共済契約数4,000万件以上(平成21年度)を超える大規模システムの構築・運用で培ったノウハウをもとに、多くの顧客のニーズに応える各種サービスを提供している。今回のSODECでは、電子帳票システム『Trinität(トリニテート)』の展示を行っていた。
トリニテートは、企業で扱う帳票類を電子化するための帳票設計・開発ツールである『System5000』を中心とし、データ生成ツールや運用自動化システム、印刷自動化システム、PDF変換ツール、ディスク(CD/DVD)書込ツールといったさまざまなオプション製品群から成り立っている。その誕生は、17年前の1993年に遡る。また、2010年秋にはWebブラウザから利用可能となる『トリニテートWebEdition』もリリースされ、機動性が高く、セキュアな帳票運用が可能な電子帳票ツールを提供している。
「グループ企業がかかえていたペーパーレス化という大きな命題のもと、トリニテートの開発が始まり、業務システムのホストコンピューターにあるデータを帳票に変換する『System3000』、そして電子帳票のビューワーソフトである『System35』が生まれました」と荻田氏。年間3億数千万頁に及ぶ電子帳票の作成や、クライアント数2万台を超える導入実績もあり、大規模ユーザにも対応している帳票システムである。
グループ企業のペーパーレス化という命題はあったものの、汎用性のあるパッケージソフトとして開発されたトリニテート。一般企業での帳票の電子化の波は、1999年の電子帳簿保存法の施行から増加していき、トリニテートのユーザー数も増えていった。そしてオープンシステムにも対応し、かつ帳票作成に要する工数削減を目的に開発されたのがSystem5000だ。企業が扱う帳票には、さまざまな種類があり、各帳票で扱う項目も、その企業や業務内容によって千差万別だ。従来、業務システムと連携した帳票を作成するには、プログラミングが必要であったが、System5000の場合は、コーディング不要で、お絵かきソフト感覚で帳票を作成できる手軽さを大きな特長としている。
「自在にレイアウトし、四則演算や関数の設定も直接行えるため、プログラムの知識がない人でも帳票を作成できます。エクセルでマクロを組んで帳票を作成するというケースもありますが、『マクロがわかる担当者が異動してしまったので、その後のメンテナンスができなくなってしまった』という声もよく耳にします。トリニテートでは、お絵かきソフト感覚で簡単に帳票レイアウトを変更できますし、その簡単操作で作成した帳票の設計書も自動作成してくれます。その様に、帳票作成後の保守メンテナンスに優れているのも特徴の一つです」と荻田氏。
また谷津氏は「私どもの実績から導き出した工数の目安として、お客様には『ひとつの帳票につき0.5人日程度で作成できます』とお伝えしています。既存の紙の帳票をスキャンし、下絵として作成できる機能もありますので、従来のイメージのまま電子化したり、業務システムとの連携も可能です」と、帳票作成のデモンストレーションを行った。
企業のロゴを貼り付け、タイトルを入力し、罫線を引き、データ入力欄を設定するとすぐに帳票ができあがった。帳票にはGS1-128やQRコードなど、各種バーコードを埋め込むこともできる。これに、あらかじめ用意されたCSVなどの帳票元データを帳票に取り込んでマッピングすれば帳票レイアウトの完成だ。