C1Zipコントロールについて
C1Zipコントロールは、Zip形式の圧縮・展開を可能にするC1ZipFile、C1ZipEntry、
C1ZipEntryCollectionという3つのクラスを提供しています。
これらのクラスは、C1Zipライブラリの中で最高位に位置するもので、Zipファイルを作成、管理する機能を提供します。Zipファイルの内容を調べたり、その完全性をテストしたり、Zipファイルに対してエントリを追加、削除、抽出したりなどが可能です。
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C1ZipFileクラス
Zipファイルをカプセル化します。C1ZipFileオブジェクトを作成したら、それを既存のZipファイルに付加するか、このオブジェクトに指示して新しい空のZipファイルを作成できます。
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C1ZipEntryクラス
元のファイルの名前、サイズ、圧縮サイズなどの各エントリを記述するプロパティとメソッドを提供します。また、ストリームオブジェクトを返すOpenReaderメソッドも持っているため、先に展開せずにエントリの内容を読み取ることができます。
また、C1ZStreamReader、C1ZStreamWriterクラスでは、Zipファイル内のデータはもちろん、あらゆる.NETストリーム上(メモリ、ファイル、ネットワークの各ストリームなど)でデータ圧縮を使用できます。
C1ZStreamReaderオブジェクトとC1ZStreamWriterオブジェクトを使用するには、これらのオブジェクトを通常のストリームに付加し、これらを介してデータの読み取りと書き込みを行います。データは基底のストリームに対してオンザフライで圧縮(または展開)されます。この設計により、ネイティブの.NETストリームとうまく統合できます。
ZStreamクラスは、C1Zipライブラリの最下位クラスで、前述の上位クラスで広く使用され、大部分のユーザーはZStreamを直接使用する必要はありません。
C1Zipコントロールでできること
C1Zipコントロールは、大まかに以下のような使い方ができます。
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メモリ内のデータを圧縮する
メモリ内の任意のデータを圧縮・展開できます。この技法は、アプリケーションの実行中にストリームを管理する場合に役立ちます。ストリームを圧縮することにより、アプリケーションのメモリ使用量を抑えることができます。
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ファイルを圧縮する
個々のファイルを圧縮することにより、それぞれのファイルサイズを減らします。また、複数のファイルを1つにまとめることができます。
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データをシリアル化し圧縮する
C1Zipと.NETのシリアル化を組み合わせて、通常サイズより小さいストリームにオブジェクトを保存できます。オブジェクトをXMLストリームにシリアル化している場合には、ディスク領域やネットワーク帯域幅の節約は非常に重要となる可能性があります。
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Zipファイルの処理
Zipアーカイブ内のファイルを開いたり、検査、追加、および削除できます。Zipファイル内の個々のファイルにアクセスしデータを取りだしたり、パスワードを使用してファイルを保護することもできます。
フォームの作成
では、C1Zipコントロールを使ってプログラムを作成しましょう。
作成するプログラムは、TextBoxコントロールに入力されたテキストデータを、直接Zipファイルを作成して保存するアプリケーションです。一度テキストファイルを作成してからそれをZipファイルに圧縮するのではなく、テキストファイルの作成とZipファイルの作成を一度に行います。さらに、作成したZipファイルから直接テキストデータを読み出す機能も付加します。
GUIのデザイン
使用するコントロールは、TextBoxコントロールとButtonコントロールが3つ、というシンプルなものです。TextBoxコントロールは、MultiLineプロパティをTrueにし、スクロールバーを表示させます。