日本マイクロソフトは、サーバOSの新製品「Windows Server 2012」の提供を、5日に開始した。当初はボリュームライセンスの販売を行い、26日からはパッケージ製品の販売を開始する。
「Windows Server 2012」は、企業内の小規模サーバから大規模なクラウド環境まで、さまざまなニーズに対応するために、前バージョンの「Windows Server 2008 R2」と比較して、180以上の新機能の実装と機能強化を行った。
最大320基の論理プロセッサ、4TBの物理メモリ、仮想マシンごとに最大1TBのメモリ、64基の仮想プロセッサをサポートし、クラスタ環境で最大4000台の仮想マシンを実行可能な新しい「Hyper-V」を搭載することで、より広範なスケーラビリティと、安定したパフォーマンスを実現する。
さらに、要求の厳しいクラウド環境に対応できる、大容量対応の新しい仮想HDD「VHDX」や、強化された「動的メモリ」、新しい仮想ネットワークスイッチ「Hyper-V拡張スイッチ」を備えている。
ファイルシステムには、新たに「ReFS(Resilient File System)」を採用することで、ディスク更新中の電源障害などによる問題を回避し、データの信頼性を向上する。また、データの増加にすばやく対応する複数の物理ドライブの集約や、物理ドライブの容量を超えた記憶域を実現する「仮想ディスク」、より効率的にディスクを活用する「データ重複除去」、RDMA対応ネットワークアダプタで高速なファイルアクセスが可能な新しいSMBプロトコルなどによって、増え続けるデータに対応している。
「Windows Azure仮想ネットワーク」によって、Windows Azureのサービスと社内のデータベースやドメインコントローラなどのシステムを簡単かつ安全に接続でき、Windows Azureと社内システムが同じネットワーク上にあるかのように利用可能なので、自社システムとWindows Azureを連携できる。
また、サーバのGPUを仮想化することで、高品質なグラフィックをクライアントに転送する「RemoteFX」と、仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)の構築支援機能を用意しており、Windows 8のマルチタッチ機能に対応したスレート端末を使って、新しいワークスタイルを実現する。
ボリュームライセンスの参考税抜価格は、CPUライセンスの「Datacenterエディション」が925000円、「Standardエディション」が170000円。サーバライセンスの「Foundationエディション」はOEM提供のみ。5クライアントアクセスライセンス(CAL)は32600円。
「Windows Server 2012」の提供開始にともなって、日本マイクロソフトは円滑な導入のために、ハードウェアやソフトウェア、システムインテグレーション、クラウドサービスなど、さまざまなサービスを提供する「Windows Server 2012導入支援パートナー」50社と連携して、導入支援を行う。
また、5日より「Windows Server 2012」の導入促進を目的に「ここに“未来”を搭載せよ」キャンペーンを実施する。さらに、9月27日~28日に開催する「The Microsoft Conference 2012」を皮切りに、「Windows Server 2012」の製品特長などを紹介するセミナーを、全国で実施していく。
【関連リンク】
・日本マイクロソフト
・「Windows Server 2012」
・「ここに“未来”を搭載せよ」ポータルサイト
・「The Microsoft Conference 2012」
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