まずは「組織の仕事」で成果を出し、やりたいことができる土壌づくりを
「マイクロソフトにもこんな人がいたんですね」と評されることも多いという、自由人のイメージが強い砂金氏。開口一番「まずはきちんと良い結果・成績を出して『砂金ちゃんがやるなら仕方ないかなぁ』という空気をつくりましょう」と組織での仕事の重要性を強調。例えば砂金氏には、その一つがアワードの受賞だったという。
その結果、「マイクロソフトに萌え系か?」と話題になった「クラウド・ガール」の企画・プロデュースや、Mashup Awardsなど、マイクロソフトでは誰もやらなかったプロジェクトを次々と実現。しかし砂金氏は「けっして組織の中での役割を逸脱しているわけではなく、エバンジェリストとしてファン層と潜在層に働きかけるという役割をどのように達成するかを考えた」と語る。
組織に属した人間は、基本的には組織に利益をもたらすように動くことが原則だ。しかし「やらされている感」でやっていては、いつまでも「自由」を手にすることはできない。砂金氏は「自由を取り戻すためのアプローチ」として、「転職・独立」「新規事業」「風土改革」の3つの手法を紹介。その中で「新規事業」の立ち上げが、最も認められやすいという。
その一つとして、「Internet Explorer 10」の正式版発表に合わせて公開中のMusic Film「いつも可愛い」が紹介された。これは、日本コロムビアとのコラボレーション企画で、ブラウザの標準性能をフル活用したインタラクティブコンテンツである。
また、砂金氏が「誰もやらなかったことを実現した1つのマイルストーン」と評して紹介するのが、「コミックマーケット」への参加だ。2012年の来場実績で55万人という場に社内外から協賛金をかき集めて企業ブース出展という形で参加したという。そこで活躍したのが、砂金氏が生み出した「クラウドガール」の「クラウディア」さんだ。アンケートでは待機列もでき、物販も福袋が2時間で完売するほどの賑わいを見せた。最終的には、3日間で来場者4200名分のアンケートを回収。3割がIT関係者、学生やクリエイターまで含めると半数以上がマイクロソフトがリーチすべき対象ということが判明し、コミケがユーザーとの対話の場として有効だということが判明したという。