SSHによる接続
管理ポータルから、myserver‐ダッシュボードを選択すると図8の画面になり、myserverの状況が確認できます。上部のグラフではCPU使用率やディスクIOなどが確認できて便利です。右下部に、DNS名やパブリック、プライベートIPアドレスなど詳細情報を確認できるでしょう。SSHの情報もここにDNS名とポートが表示されているので、ターミナルソフトで接続します。
ターミナルソフトはPuTTYやTeraTermなどで構いません。ここではTeraTermから接続してみましょう。
TeraTermを開き、ホスト名に「クラウドサービス名.cloudapp.net」を指定し、サービスにはSSHを選択します。ポートが22番になっていることを確認し、[OK]ボタンをクリックします(図9)。
引き続き、ユーザー名とパスワードを入力すれば仮想マシン上で起動したUbuntuサーバーにログインできるでしょう(図10)。
ログイン後は、普通のLinuxサーバーと何ら変わることはありません。サービスに必要なセットアップを行うことができます。
HTTPサーバーの起動と接続
仮想マシンの構成で、80番ポートを開く設定をしました。ここでは、Apache HTTPサーバーをインストールして、80番ポートが開放されているか確認してみましょう。HTTPサーバーは、apt-getコマンドでインスールします(リスト1)。
$ sudo apt-get install apache2
インストールが完了したらブラウザから、クラウドサービスのURLを開きHTTPサーバーが起動していることが確認します。
仮想マシンの停止と削除
仮想マシンの停止はサーバー上からではなく、管理ポータルから行います。シャットダウンボタンをクリックすると、シャットダウンが行われ、利用されていたIPアドレス等のリソースが開放されます。この状態では、仮想マシンの課金は行われません。
ただし、仮想マシン上からシャットダウンした場合は、引き続きWindows Azure上のリソースが確保されたままになるため、課金が発生することに注意してください。
停止済み(割り当て解除済み)と表示されていれば、課金は発生しません。
すべてのリソースを削除するには、引き続き[削除]ボタンをクリックします。接続されたディスクを削除、保持するポップアップが表示されます。引き続き仮想マシンを利用しなければ、削除を選択して操作を続行します。仮想マシンの一覧から表示されなくなれば削除完了です。
また、仮想マシン作成時にクラウドサービスとストレージアカウントも同時に作成されているはずです。各々の管理画面から削除を選択すれば、リソースの削除を終了です。
BLOBの課金について補足しておきます。作成されたイメージはBLOBに格納されると説明しましたが、1GB当たり約7円課金されます。余程大きなデータでないと、大きな課金額になることはないでしょう。またディスクの読み書きで、トランザクションと呼ばれる課金が発生します。10万トランザクションあたり、¥0.51円です。どの程度のトランザクションが発生するかについては提供するサービスにもよるため、一概にはいえません。検証などを通してコスト設計する必要があります。
まとめ
Windows Azure仮想マシンを利用すると、簡単な操作でLinuxサーバーが利用できることがお分かり頂けたでしょうか。Windowsという名が冠してあるため、まさかLinuxが動作するなんて、と感じた方も、多かったのではないかと思います。
もちろん現時点において、本格的な運用を行うために考慮が必要な点もいくつかあるのですが、ぜひこの機会に、無料評価版を利用してみてください。また、マイクロソフトでは随時無料の「Windows Azureトレーニング」を実施しています。もっと詳細な利用方法を習得したい場合は、こちらを活用することも可能です。
2月26日には東日本/西日本リージョンも開設されました。今後はWindows Azureをもっと身近な物として利用することができるでしょう。