もちろん、Windowsストアアプリでも市販コンポーネントの利用が考慮されていて、Windowsストアアプリ対応の市販コンポーネントを使って少ない手順で高度な機能の追加が可能です。しかし、あまり市販コンポーネントの話を聞かないような気がします。その理由の一つは、WindowsフォームとWPFは非画面系のコンポーネントは同一バイナリでも問題ありませんが、Windowsストアアプリの市販コンポーネントは非画面系のコンポーネントであっても従来の形態では利用ができず、Windowsストアアプリでも使えるようにするための設計が必要だということで移植や同時提供が進んでいないという点があるでしょう。もう一つの理由としては、Windowsストアアプリの画面デザインがXAMLというかなり高機能な画面定義体で定義するので、同じくXAMLで画面が定義できるWPFでも同様ですが、市販コンポーネントがなくても済むケースが多いという点が影響しているのかもしれません。
しかし、だからこそWindowsストアアプリ用の市販コンポーネントは貴重だといえるでしょう。なぜなら、市販コンポーネントとして発売されているということは、標準コンポーネントでは難しいことが実装されている訳ですし、それは世の中に存在するWindowsストアアプリで実装されている例が少ない機能であるとも解釈できます。よって、Windowsストアアプリを企画する上でも、他のアプリとの差別化という点でも非常に興味深いという推論が成り立つからです。
今回取り上げるLEADTOOLSは、WindowsフォームやWPF向けの画像処理コンポーネントのWindowsストアアプリ対応のコンポーネントで、LEADTOOLS Imaging Pro Suiteを購入した時だけに入手できます。
なお、今回は、Windows 8.1 Enterprise(x64)+Visual Studio Ultimate 2013 Update 1で動作確認しています。LEADTOOLSのシステム要件としては、正式対応されていない環境であることをあらかじめお断りしておきます。
Windowsストアアプリの作り方
テンプレートを選択
Windowsストアアプリを新規作成する場合、いくつかのテンプレートが用意されています。1画面のアプリであれば「新しいアプリケーション」を選択したくなりますが、そのようなときにお勧めなのは「グリッドアプリケーション」テンプレートです。
不要なファイルを削除
「グリッドアプリケーション」テンプレートでは、「GroupDataPage.xaml」「GroupedItemPage.xaml」「ItemDeteilPage.xaml」という3つのページも自動生成されますが、1画面アプリでは不要なので削除します。そして、ソリューションエクスプローラーでプロジェクトを右クリックして[追加]‐[新しい項目]メニューで、「基本ページ」を追加します。
これでCommonフォルダに必要なクラスファイルが設定され、App.xaml.vbにもサスペンドなどに必要なコードが入った初期状態が完成しました。もちろんこれはVisual Basicだけの話ではなく、C#を使った場合でも、この方法が一番簡単に初期状態を作り出す手順です。
初期状態での実行
この初期状態でもWindowsストアアプリとして動作します。