アプリの申請フローについて
Firefox OSにも、Firefox Marketplaceというアプリのマーケットプレイスがあり、カメラ関連のものだけでもすでにたくさんのアプリが掲載されています。
Camera APIを利用するような特権アプリの場合、このマーケットプレイスにアプリを申請する際にはレビューを受けなくてはなりません。ここではその申請時の注意点について簡単に説明します。
アプリのレビュープロセス
Firefox Marketplaceでのレビュープロセスは非常にオープンなものとなっています。開発者は、Marketplaceレビュー要件に従ってアプリのレビューを受けます。このレビューチームは、Mozillaのメンバーとボランティアで構成されており、レビューチーム向けのガイドラインもWeb上で見ることができます。また、開発者であれば、ボランティアに応募することで、自分がレビュワーになることも可能です。
特権アプリの場合、セキュリティなどの項目についてもチェックされるため、アプリを申請してからレビュー完了までに数日、場合によっては数週間かかることもあります。
アプリのレビューで問題がある場合は、どこが問題だったのかをフィードバックしてもらうことができ、レビューした人と直接メールでやりとりすることができます。レビューに関して一般的な質問がある場合は、IRCやメーリングリストからレビューチームに連絡することも可能です。
セキュリティガイドライン
特権アプリの申請時にひっかかりやすいのが、セキュリティガイドラインでしょう。とりわけ、CSP(Content Security Policy)には注意が必要です。詳しくはMDNの解説ページを参照頂ければと思いますが、例えば以下のような制約があります。
- 外部JavaScript、CSSの禁止:別ドメインに置かれたJavaScriptファイルやCSSファイルを、アプリ内から参照することはできません。ライブラリなどは全てローカルに置く必要があります。
- インラインスクリプトの禁止:onclick()などのインラインスクリプトは利用できません。また、<script> タグを動的に生成することも禁止されます。
- eval()の利用禁止:eval()やeval演算子は、セキュリティエラーを投げます。特にテンプレートライブラリ等で利用されているケースがあるので注意して下さい。
KDDIのFirefox OS搭載端末「Fx0」のスペック
実際にカメラアプリを作る際に気になってくるのは端末のカメラのスペックでしょう。そこで、KDDIから発売されている世界初(※1)のハイエンドなFirefox OS搭載スマートフォン「Fx0」のスペックを見てみたいと思います。Fx0はFirefox OS 2.0を搭載しているので、Camera APIを使って開発者が自由にアプリを作ることができます。
このFx0は背面に約800万画素のCMOSカメラ、前面には約210万画素のCMOSカメラが搭載されており、他のOSのスマートフォンと比べても遜色ないスペックとなっています。カメラ背面には、ライトも搭載されているため、フラッシュ撮影も可能です。
ディスプレイは解像度1280×720ドットの4.7インチ IPS HDとなっています。他の廉価なFirefox OS端末に合わせて解像度は低めになっていますが、IPS液晶とあって画面の映りが非常に綺麗で見やすいものとなっています。
※1 Mozilla Corporation調べ、2014年12月現在
まとめ
本稿では、Firefox OSで利用できるCamera APIを紹介しました。OSバージョン1.xではパーミッションの制限があったCamera APIも、今では自由に開発が可能になったため、今後より多くのカメラ関連アプリが出てくるのではないでしょうか。同様に、他のAPIもOSバージョンが上がるにつれて開発が可能になることと思うと、とても楽しみですね。日本でもすでに「Fx0」のような端末が入手できるとあって、世界に先駆けてますますFirefox OSのアプリ開発が盛り上がれば良いなと思っています。本稿がそんな開発の一助になれば幸いです。
下記サイトにて、KDDIが開催を予定しているFirefox OSに関連するイベントや、最新のHTML5技術、Webプラットフォームを用いた新たな楽しみ方についての情報を発信しています。
「Fx0」の取扱い店舗についても下記サイトからご覧いただけます。