9.0Jの新機能
9.0Jでは、前述のRDLレポートの他にもいくつか新機能が追加されています。ここでは、新機能の概要を紹介します。
クエリデザイナ
レポートに使用するデータをデータベースから取得するにはSQL文を記述する必要がありますが、9.0JではGUI操作でSQL文を生成できるクエリデザイナが用意されています。テーブルの一覧から必要なフィールド名を選択してソート順や抽出条件を指定するだけで、SQLを書くことなく簡単にデータを抽出できるため、SQL構文に精通していないユーザーでも簡単にデータを取得できます。また、必要なデータを正しく抽出できているか、正しくソートされているかなどを「結果」ペインで確認できます。
レイヤー
ページレポート/RDLレポートでは、レポートデザイン時に複数のレイヤーを利用できます。
デザイン時には、各レイヤーの表示/非表示や透明度を設定できます。これを利用して、既存のレポートをトレースすることができます。具体的には、スキャンした画像を背景レイヤーに配置し、その上にレポートコントロールを配置して帳票レイアウトを作成します。
また、実行時には、レイヤーごとに出力先を設定できるため、宅配伝票や振込依頼書のようにプレ印字された用紙を使う場合に役立ちます。具体的には、帳票のプレビュー時にはデータとプレ印字の用紙(レイアウト枠線)を合わせて表示する一方で、データのみプレ印字用紙に印刷するといった設定が簡単にできます。
詳細については、今後の連載で紹介します。
HTML5ビューワ(Professional)
jQueryウィジェットとして動作するHTML5ビューワが追加されています。HTML5ビューワでは、Internet Explorerに加えて、新たにChromeおよびSafari for iOS(iPad/iPhone)での閲覧をサポートします。ビューワのUIは閲覧するデバイスに合わせてAPIで切り替えることができます。また、ツールバーから他のファイル形式(PDF、Excel、Word、HTML、Tiff)を選択して保存できます。なお、ASP.NET MVCフレームワークを使用したWebアプリケーションの作成も可能です。HTML5ビューワは、Professionalエディション限定の機能です。
詳細については、今後の連載で紹介します。
Mapコントロール(Professional)
ページレポート/RDLレポートでは、レポート上に地図を表示し、データを重ねて表示できます。シェープファイル(.shp)やGoogleマップを組み合わせて、ビジネスデータを分かりやすく視覚化します。Mapコントロールは、Professionalエディション限定の機能です。
詳細については、今後の連載で紹介します。
ActiveReports Server(Professional)
ActiveReports Serverは、Service Pack 1で追加された機能です。ActiveReportsで作成した帳票の運用・管理が手軽にできる製品で、Webサーバー(IIS)にインストールするだけで簡単に帳票運用環境を構築できます。エンドユーザーはポータル画面から、帳票のアップロード、プレビュー・印刷、他ファイル形式への保存、スケジューリング実行などの機能を利用できます。ActiveReports Serverは、Professionalエディション限定の機能です。
詳細については、今後の連載で紹介します。また、ActiveReports Server特設ページにも、スクリーンショットや動画で分かりやすく紹介されています。