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開発にGitHubなどを使用、Force.com側はバージョン管理などの手間不要
――開発環境はどうされていますか。HerokuではGitを使ってデプロイなどを行うことになっていますが、Force.com側の開発では何を使っていますか?
白石:人それぞれですね。Sublime Textエディターで開発している人もいますし、Salesforceが提供している「開発者コンソール」というVisualforce開発向けのツールを使う人もいます。開発者コンソールは定期的に更新されてますし使い勝手もいいので、僕はそれでやってしまうことが多いですね。
ただ、ソースコードのバージョン管理の部分に弱点があって、誰かが誤って消してしまったときに簡単に元に戻せない。ソースコードはローカル上で別管理するなどの工夫をしてます。また、テストコードは必ず書いて通るようにはしてはいるんですけれども、それを自動化するところまではやれていないのが現状です。
中尾:一方、Heroku側のアプリケーション開発はソースコードをGitHubに上げたら、ステージングに上がるとかっていう仕組みは作ってあります。CIまではやってないですけど、テストの自動実行などは走ります。
Force.com側でいうと、そもそもあんまり大がかりな開発をしてないっていう。先ほども述べたとおり、業務アプリケーションにはなるべくSalesforceの標準機能を使う方針にしてるので、バージョン管理的なところやチーム開発みたいなのを、Force.com側もしっかりやらなきゃっていう場面に遭遇していません。必要性をあまり感じないですね。
開発したアプリを自分で営業したくなる環境を作ってくれたSalesforce
――最後に、今後の抱負ややってみたいことなどをお聞かせください。
白石:Salesforceを核にしてパッケージソフトウェアを作ってみたいですね。例えば、オンラインからオフラインへ送客する仕組みとして、会員に発行するオンラインクーポンがありますが、あのシステムをSalesforceとつなげて、お客さんのデータをお店側でもっと上手に使ってもらえると面白いことができるじゃないかと。
中尾:白石とそうしたパッケージソフトウェアを自分たちで作って、自分でアパレル系のお店や会社に売り込みに行こうと話してるんです。アプリを作り、マイ・クローゼットといった仕組みも構築して、そのデータでCRMをやるとか。
――エンジニア自身で顧客にパッケージを売り込みに行くというのは大変な熱意ですね。
白石:前職時代にはそんなこと考えもしませんでした。もう日々、ちゃんとシステムが動くかなっていうことだけを考えました。Force.comやHerokuを使って受託ではありますがいろんな案件に携わっていく中で、自分でもうまく機能使えば面白いものが作れるって実感がわいてきたんです。そして、サービス自体も考えて提供できる側になりたいと。夜の呼び出し電話がなくなって生活も変わりましたし、今やっていることが自分にマッチしているとも思います。
中尾:受託での仕事を続けていると「また同じ作業だな」とテンションも上がりづらくなってくる。そうならないように、エンジニアの人もPMもSEも含めて、自分がやりたいことをある程度やってもらう環境を作りたいですよね。それまでに携わった案件の経験を踏まえてやってもらえればいいとは思っているんですけど。
私は、人工知能や機械学習を今まで作っていた会員向けのアプリケーションやWebサイトにつなげて、「どんなインタラクションがあれば、お客さんは動くのか」っていうところを突き詰めたプロジェクトをやりたいと思っています。人工知能を利用して、お客さん個人個人に最適なクーポンを出すとか、お客さんとのコミュニケーションをもっと快適なものするとか。セールスフォース・ドットコムは機械学習や人工知能の企業を買収してますし、新しいサービスとしてどんどん提供してくれるでしょうから、それらを積極的に活用したいですね。
曖昧ですけど、テクノロジーとマーケティングの融合によって人を動かす部分は、表現方法も含め、かなりクリエイティブになってきていると思います。そこをもっと突き詰めて、顧客のデータに応じて適切にプッシュ通知したりレコメンドしたり、あるいは自動的に表示が切り替わったりっていう、顧客体験重視したプロジェクトを展開したいと考えています。
――Salesforceをベースにいろんな可能性が広がりますね。ありがとうございました。
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