囲い込まれたら超安くなるし、簡単になって学習コストも下がる
吉羽 ちなみにクラウドネイティブで作る必要性についてはどう思いますか? 僕たちとしてはその方がいいと思ってますけど、それができないお客さんも多い。
浅見 クラウドネイティブだと、単純にコストを下げられる。
吉羽 あと、可用性も上がりますよね。
浅見 可用性に関してはクラウドベンダを分けたほうが良い場合もあるけど、コストに関しては寄せたほうが絶対に下がると思うんですよ。学習コストもそうだし。あと、囲い込みが嫌だってみんな言うけれど、囲い込まれたら超安くなるし、超簡単になる。
吉羽 あと、データの持ち主は自分なんだから、技術力さえあればいつでもどこでも移せる。そういう意味では、別に囲い込まれていないと思います。
浅見 あとはその移し方が簡単かどうか、そのプロセスが用意されているかどうかの違いはあると思います。
吉羽 そうですね。レールに乗ったほうが楽なのは間違いない。
浅見 そう、だからベンダが推奨しているものに乗っかれば、コストを掛けずに楽にモノが作れていいと思います。
吉羽 あと、推奨だけじゃなくて検証もされてるパターンというのも大事でしょうね。アクティブ・スタンバイ構成(耐障害性を高めるために複数サーバを用意しておくものの、通常時は片側だけで処理を行い、障害のときに起動済みのスタンバイ側のサーバに切り替える方式のこと)というのはオンプレのパターンなんですよね。データの同期を片方向にしかできないっていう制約があって、アクティブ・スタンバイするしかないというパターン。
浅見 そう、で、その印象のままみなさんがクラウドに上がってくると、今度はアクティブ・アクティブになるから、少し印象が違う。
吉羽 クラウドは基本、全部がアクティブっていう考えだから、そこの意識は変えなきゃいけない。逆にそこ変えられればね、クラウドネイティブ、別にそんな難しい話でもない?
浅見 難しくないです。だから、どこが落ちてもいいように作るということだけが、意識するべきポイントだと思うんですよ、基本的には。
AWSはバイキング、Azureはフルコース
吉羽 クラウドネイティブのその先にはサーバレスがあると思っていて。サーバレスアーキテクチャについて知っていると、単一障害点のない、そもそもマシンがないんだから障害になるわけないじゃないし、運用しなくていいしってなりますよね?
浅見 まあサーバレスっていっても、決して本当にサーバがないわけじゃないから、それを意識しないだけかなと。
吉羽 でも、本当に必要なのは処理ができることであって、サーバはその道具にすぎない。必要な時にCPUリソースとかだけ借りるって、結構わかりやすいじゃないですか。
浅見 もともとAzureが目指していたのは、そういうサービス指向だと思うんです。そこが一番のAWSとの違いだったと思いますよ。
吉羽 AWSは、ビルディングブロックという言葉に象徴されているように、いっぱいパーツを用意するのでユーザ自身で勝手に組み合わせて下さいという思想です。Azureはどちらかというと、今のポータルを見ても、いい感じの組み合わせを置いておくので、その通り使ってください、という感じ。
好きに組み合わせてよ、というのがAWS。オールインワンでパターン化しているのがAzure。バイキングなのかフルコースなのかの違いですね。
浅見 そうですね。だから、どっちが好みかというのはありますよね。
吉羽 でもビジネスサイドから見ると、AWS難しすぎるからAzureにしたって、聞いたこともありますが。
浅見 うん。それなんと言えないですよね。それをビジネスサイドが難しいって言っているのが本来おかしくて、エンジニア側が難しいって言わなきゃいけないわけで。
サービスに対して、AWSとAzureどちらがいいか判断できる能力があるといい
吉羽 AzureとAWS両方勉強すべき? それともどっちかだけでも知っていればいいですか?
浅見 別に両方勉強しなくてもいいと思いますけどね。例えば今後の自分のキャリアを考えていく中で、クラウドの世界の中で泳いでいくのであれば、両方知っていれば幅広い話ができますよね。今後両方が比較されるシーンは増えるんじゃないかと思っています。
Azureの仕事をしていると、AWSとよく比較されるんです。AWSの仕事をしてる人は、今はそんなに比較されてなくても、今後は「Azureとどうなの?」っていう話が出てくるようになると思います。
吉羽 この1年ぐらいで急に差が縮まっている感じ。
浅見 それはあると思います。お客さんのやりたいサービスに対して、AWSとAzure、どっちを使うべきだっていう判断ができる方がいいですよね。お客さんにとって選択肢を増やす上でも、そういう情報を出せる方がいいと思います。
