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キーパーソンインタビュー(AD)

「好きの範囲が狭くて、仕事が偏って、いまに至る」―まつもとゆきひろさんに訊く、暮らしと転職のことなど

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 来る9月29日に開催されるワークスアプリケーションズさんのCOMPANY Forum。その中のキャリアセッションにまつもとゆきひろさんが登場することになりました。いったい、当日はどんなお話をされるのでしょうか?―事前にフンワリと、まつもとさんのキャリア観について訊いてまいりましたのでこれをお届けします。

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COMPANY Forumについて

 Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏、ワークスアプリケーションズのトップエンジニア 井上誠一郎氏、廣原亜樹氏、ITジャーナリストの五味明子氏という布陣で、エンジニアのキャリアについて語り合います! どうぞご注目ください!

  • 日程:2016年9月29日(木)13:30~15:50
  • 会場:六本木アカデミーヒルズ
  • 題目:【G-2-2】「世界で通用するエンジニアに必要な経験とは ~1,000人を超える外国籍エンジニアを抱えるメガベンチャー企業と考える~」
  • 講演詳細はこちら
  • タイムテーブル・申し込みはこちら ※Day2、右側、キャリアトラックの【G-2-2】セッションを選んでお申し込みください。

まつもとさんの、いまの暮らし

―ワークスアプリケーションズさんのイベント、COMPANY Forumにて、まつもとさんがご講演されるということで、ちょっとプレインタビュー的な感じでお話をうかがえたらなと思います。よろしくお願いします。

まつもとゆきひろ氏(以下、まつもと):はい。よろしくお願いします。

―今回の講演は「若手・中堅のWEBエンジニア向け―世界で通用するエンジニアに必要な経験とは」ということで、キャリアの話ですね。まつもとさんのキャリアについては、すでにいろいろなインタビューで語りつくされていますが、いまは、どんな暮らしをされているんですか?

まつもと どんな暮らしかというと?

―朝起きて、ジョギングして、会社行って……みたいな……?

まつもと 玉造温泉近くの家で穏やかに過ごしています。

―もうちょっとくわしくお願いします……。

まつもと メール読んで、ウェブ見て、イヌの散歩して、原稿書いて、講演の準備して、時々打ち合わせしたりとか、取材を受けたりとか。で、1日1度はプログラミングするのを目標にしてます。現役でいたいので!

―いまでも毎日プログラミング! 一日だいたい何分ぐらいですか。

まつもと まちまちですね。目標にしててもできない日も結構あります。今日はさっきまで2時間くらいコード書いてたかな。

―素敵ですね。日々の忙し具合はどんな感じでしょうか。

まつもと うーん、忙しいような、そうでもないような。原稿の〆切とか、講演の直前とかはそれなりにバタバタしてますが、それ以外は別に業務命令とかないんで、好き勝手してますね。あと、出張がそれなりにあるので移動してる時は忙しい感じがしますね

―世界中飛び回る感じですか?

まつもと 海外は年5~6回くらいしか出ないのでたいしたことはないですね。

―現在、所属としては、Groovenauts, Inc.、salesforce.com, inc.、Herokuなど複数ありますね。

まつもと はい、所属ですね。

―これは、なんていうか、技術顧問とかフェローっていうのはどういうものなんですか? 毎日出勤するわけではないんですよね?

まつもと 関わり方はいろいろですね。毎日出勤はしてません。最近は移動時間がもったいないのでかなり自宅にいます。最近はじめた技術顧問はSkypeミーティングが多いですね。月に1度くらい。VASILY、SanSan、ビジネスバンクとかはそんな感じ。

―いま、何社くらいですか。

まつもと 正社員として所属しているのが2社。

―正社員で2社とか可能なんですか!?

まつもと はい。かなり特殊ですけど。技術顧問が6社。あと、技術顧問以外で業務委託契約してるのが2社ですかね。

―すごく特殊ですね。ただ転職を重ねていっても普通そうはならない。キャリアのどのあたりで、メタモルフォーゼされたんですか。

まつもと うーん、2007年に楽天技術研究所のフェローになった頃からかなあ。その前の2003年頃にRubyのことだけが仕事になったことかもしれない。

まつもとゆきひろ氏(Developers Summmit 2012での講演風景)
まつもとゆきひろ氏(Developers Summmit 2012での講演風景)

まつもとさんと、転職

―まつもとさん、けっこう転職していらっしゃいますね。過去のインタビューなどを拝見していたのですが、一貫して「東京がとにかく嫌だ」っていうのが印象的でした。東京、まだ嫌いですか?

まつもと そうですね。あんまり住みたくないですね。遊びに行くくらいなら大丈夫ですけど。

―まつもとさんの転職は、いわゆる転職というか、傍らにRubyありきの転職っていうか…

まつもと うーん、転職ってそういうもんじゃないですか。仕事を変わることそのものは目的ではないと思うのです。

―どういうときに「あ、そろそろ転職かな」ってなるとかありますか?

まつもと 私の場合は、会社が潰れそうだったり、部署が東京に移動になって転勤拒否したので居づらくなったりとかが理由でしたね。いずれも外部的な要因ですね。

―そういうのがなかったら居続けた?

まつもと たぶん。それぞれそれなりに居心地は良かったですよ。転職とか環境が変わるのはコストだし、ストレスですよね。できれば避けたい。

―やっぱりまつもとさんでも転職はストレスなのですね。

まつもと ただ、自分の環境改善には熱心なので、この環境は自分に益にならないと思ったら、たぶん転職すると思います。実際にはそういう経験はなかったんですが。

―技術顧問っていうのは、具体的にはどんなことをしているんですか? 相談に乗るんですか? 技術的な相談何回でいくら、とか?

まつもと これも人によると思いますが、私の場合は月に1回エンジニアと自由に意見交換みたいな感じですね。あまり仕事に直結するようなお手伝い出来てないので、自分で「福利厚生型技術顧問」と呼んでいます(笑)。

―(笑)

まつもと エンターテイメント型ですね(笑)。

―まつもとさんは転職を重ねるうちにRubyに収束してゆき……というような流れで今がある。じゃあ、Rubyが作れなかったエンジニアはどのあたりのことを目標に転職をすれば(あるいはしないでいれば)いいでしょうか。

まつもと とりあえず周りから頼られるエンジニアを目指すのが良いのではないでしょうか

―なるほど。あんまり転職転職考える前に頼られるエンジニアになれと。

まつもと 転職は目標ではなくて手段だと思うのです。今いる企業が自分と信頼関係を築けないなら躊躇なく転職しても良いと思います。

―まつもとさんの目標はRuby一直線という感じだったんですか?

まつもと それがそうでもなくて、好きなプログラミングでご飯を食べられたらくらいでしたね。

―いまもそんな感じのようにみえます。

まつもと ただ、「好き」の範囲がけっこう狭いので、仕事がだんだん偏って、今のようになった感じですね。

―好きの範囲が狭い、というのは、けっこう重要なポイントですね。偏って、とか。

まつもと 自覚はあんまりないのですが、当時の同僚に聞くと「突き抜けすぎてて上司もどう扱ったら良いのかわからないみたいだった」と(笑)。

次の講演で話すこと

―COMPANY Forumではどんなお話を?

まつもと 職業選択とかジョブサバイバルとかがテーマになりそうです。ワークスさんにはインターナショナルエンジニアというテーマでお願いされましたので。

―ワークスアプリケーションズさんは海外にもオフィスがあるんですよね。ただ、こないだ、井上さん、廣原さんとも話していたんですが、ワークスさんに来る若者って「国産だから日本で働ける」とか思ってそうじゃないか、と。最近の若者って日本から出ようとしない傾向が強いそうではないですか。エンジニアに限ったら別かもしれませんけど。

まつもと まあ、不安はあるし、日本でもとりあえず生きていけそうだし、英語に自信はないし、海外に行きたいと思うほうが珍しいですよね。実際、私も海外に行きたいとは全く思ってませんし(笑)。

―そうなんですか(笑)。でも、インターナショナルエンジニアの話をされるんですよね?

まつもと はい。英語とかエンジニア気質の違いみたいなのを話そうとは思います

―おもしろそう……!

まつもと もっとも、私の海外知見はだいぶ偏っているのですが(笑)。

―偏りこそおもしろいじゃないですか!

まつもと そう言っていただけると光栄です。

―当日、楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました!

COMPANY Forumについて

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  • 日程:2016年9月29日(木)13:30~15:50
  • 会場:六本木アカデミーヒルズ
  • 題目:【G-2-2】「世界で通用するエンジニアに必要な経験とは ~1,000人を超える外国籍エンジニアを抱えるメガベンチャー企業と考える~」
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この記事の著者

小泉 真由子(EnterpriseZine編集部)(コイズミ マユコ)

 1975年9月2日生まれ。情報セキュリティ専門誌編集を経て、2006年翔泳社に入社。エンタープライズITをテーマにイベント・ウェブコンテンツなどの企画制作を担当。最近はもっぱらDB Online担当。 Twitter ID: http://twitter.com/ebimayu

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/9660 2016/09/12 14:00

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