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「PyCon JP 2017」レポート

「技術カンファレンスへの参加の秘訣は臆せず飛び込むこと」――PyCon JP 2017発表者に訊く、イベント活用の心構え

PyCon JP 2017開催後レポート

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 9月8日、9日にPyCon JP 2017が開催され、大盛況のうちに終了しました。この盛り上がりをこれからPythonの世界に踏み出す皆さんにも感じていただきたく、今回PyCon JP 2017カンファレンスのポスターセッション発表者に集まっていただき、ご自身のことや今年イベントに参加して感じたことを話していただきました。

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PyCon JP 2017 開催後インタビュー 概要

  • 日時:2017年9月25日 19:30~21:30
  • 場所:翔泳社 会議室
  • 参加者:石田真彩(いしだ・まあや)、向山裕介(むこうやま・ゆうすけ)
  • 司会:海老原由夫樹(えびはら・ゆうき)
  • 執筆:海老原由夫樹(えびはら・ゆうき)

司会:これからPyCon JP 2017開催後レポートのインタビューを始めさせていただきます。よろしくお願いします。まずはじめにご自身の名前と所属を簡単にお願いできますでしょうか。

石田:石田 真彩と申します。コミュニティとしてはPyLadies Tokyoに所属・運営をしています。会社としては、株式会社オープンストリームという会社でクラウドアーキテクトの仕事をしています。

向山:向山 裕介です。株式会社クレジットエンジンで主にプロダクトの開発を担当しており、自社サービスである、オンラインでの中小企業向け融資のサービスをPythonで開発しています。よろしくお願いします。

石田 真彩氏(左)と、向山 裕介氏(右)
石田 真彩氏(左)と、向山 裕介氏(右)

Python経験が浅くても参加しやすいPyCon JP

司会:お二人は普段Pythonをどういった形でご利用になっていらっしゃいますか?

石田:現職では研究開発に近い部署で働いているので、「小さなシステムを作ります」とか、「とりあえず動くものをサクッと作ります」といった場合にPythonを使います。Webアプリケーションを作ってみたり、もしくはPythonから何かのAPIを呼び出してクラウドサービスを使ってみたりと、幅広く利用しています。

司会:以前からちょっとした動くものを作る用途に使用されているのでしょうか?

石田:そうですね。私はそればかりです。実際の大きなプロジェクトでPythonを使った経験はなく、あくまで個人レベルや、ちょっとしたものを作るレベルでしかPythonを使ったことがないまま、ここまで来ています。

司会:Pythonを覚えるのに苦労したことはありましたか?

石田:まだ勉強中ですが、今のところ苦労はしていません。もともと他言語のエンジニアだったので、文法の習得自体はそんなに苦ではありませんでした。逆に「これだけでかけるんだ」と感じることが多く、思っていたよりも覚えやすかった記憶があります。

司会:何か動くものを作る時には、だいたいどのくらいの時間がかかるんでしょうか?

石田:規模にもよりますが、ちょっとしたファンクションやモジュールを1つ作るレベルであれば、1~2時間あればできるのではないでしょうか。簡単なWebサイトのページを作る場合は、構成にもよりますが、半日~1日程度あれば、みんなに見せて協議しながら改善するフェーズに進めるのではないかと思います。

司会:分かりました。ありがとうございます。向山さんはいかがでしょうか?

向山:はい。全社的にPythonを使っています。運用しているWebサービスはDjangoというフレームワークで書かれています。また、Pythonをデータ分析の用途でも使っています。私たちのサービスの特性として、さまざまなデータを収集して機械学習のモデルに突っ込んで、その結果をサービスに活用しているのですが、そこもPythonのライブラリを使って分析しています。その他に社内のちょっとしたツールも、ほぼ全てPythonで作っています。

司会:ちょっとしたツールを作る際には時間はかかりますか?

向山:基本的にそんなに時間はかけずに作っていますね。いろいろと甘いところはありながらも、まあ動けばいいやぐらいに(笑)。エラーが出たら自分で直せばいいので、そこはさくさくと作ってやっていますね。

司会:ありがとうございます。Python歴はどのくらいですか?

向山:私は1年ちょっとですね。

司会:1年ちょっとでDjangoやスクレイピング、機械学習と幅広く使われていますが、一度に覚えるのは大変ではありませんでしたか?

向山:そうですね。もともとRubyの経験が一番長くて、Railsを使用したWebサービスの構築経験は結構ありました。なので言語は変わったんですが、Djangoは基本的にWebフレームワークなので、新しいことをゼロからやる形ではなかったです。データの分析・成型に関しては、特にPythonだから難しいといったことは多くなく、「どういうロジックでデータを分析するか」などに頭を使うことが多いですね。使うPythonのモジュールやメソッドは大したことがないので、慣れるのは難しくなかったのだと思います。

発表の動機は「コミュニティでいろんな人と話したい」

司会:今回お2人がPyCon JP 2017のポスターセッションに応募した理由をお話しいただいてもよろしいですか?

石田:PyLadies TokyoとしてPyConで発表することには一つの使命感があるため、ポスターセッションに限らず、あらゆるプロポーザルをPyLadies Tokyoメンバーで出しました。昨年のPyCon JP 2016において、「PyLadies Tokyoというグループがあるよ。楽しいからみんな来てね」といったテーマのポスターセッションをすでにやっていましたので、2年連続で同じテーマじゃ面白くないと考え、今回はテーマを変えて応募しました。今年マレーシアで開催されたPyCon APACにPyLadies Tokyoとして4人参加することが決まっていたので、この海外カンファレンスに参加したことをレポーティングしてみてはどうか、といった案が挙がりました。PyCon APAC参加メンバーの中には海外のカンファレンスに初めて参加する人もいましたので、海外で経験したことをフォトセッション風に展示して「楽しいから海外カンファレンス行こうぜ」といった話ができたら面白いんじゃないかと思い、今回このテーマでプロポーザルに応募しました。

司会:技術面よりも、活動に重きを置いた内容ですね。

石田:そうですね。「こういう技術を使ってみました」ではなく、「PyLadies Tokyoというコミュニティがあって、初心者もギークな人も女性であれば参加できるから、みんな来てね」といった、一部宣伝を兼ねた内容と、コミュニティメンバーの活動内容の報告による啓蒙、この2つの観点で今回はポスターセッションに応募しました。

司会:ありがとうございます。向山さんの応募理由はいかがでしょうか?

向山:私はPythonを始めてからそんなに長くなく、会社自体も設立1年強の会社で、Python界隈の人たちとの関わりが普段そんなにないんですよね。なのでそういったコミュニティでいろんな人と話したいなっていう思いがありました。そんな中PyConを見ていて、ポスターセッションの方がいろんな人としゃべれそうだと感じたからといった理由があります。また、われわれの会社もスポンサーとしてPyConに出していました。なので、そちらではパネルディスカッションに別のエンジニアが登壇していたので、また違った形で参加者と関わる機会が作れればと思ってポスターセッションに応募しました。

司会:お二人とも「ポスターセッションの方が話しやすい」と考えたのですね。

石田:そうですね。ポスターセッションは見に来てくれた人に対して個人的に話しかけることができます。雑談ベースから始めて、登壇者側が話したいことをその人に合わせて話すというのは、登壇者としても話を聞きながら説明することができ、学びがあります。

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この記事の著者

海老原 由夫樹(エビハラ ユウキ)

リックソフト株式会社所属。普段はツールの導入支援業務を行う中で作業の効率化のためにPythonを使用している。Python の達人になるべく勉強中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/10507 2017/11/10 14:00

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