ポスターセッションによって得られた交流と気づき
司会:実際に見に来られた方には、どんな方がいらっしゃいましたか?
石田:さまざまな方が来てくださいました。普段PyLadies Tokyoは女性だけで活動しているので、男性の目から見たら閉鎖的なコミュニティのようで(笑)、男性が興味を持って見に来てくれることが多かったのは印象的でした。「PyLadies Tokyoは今どれくらい(メンバーが)いるんですか」とか「1回のイベントでどれくらいの女性が集まるんですか」などの質問をいただきました。また、まだPyLadies Tokyoを知らない女性が「こんなコミュニティあるんですね」とその場でコミュニティ登録してくれることもあり、新しい出会いもたくさんあるなぁと感じています。
司会:ポスターセッションを見に来られる女性の経歴もさまざまなんですか?
石田:さまざまです。「大学で研究しています」といった方もいれば、「ブラジルから留学している学生です」といった方がいるなど、「こういう人たちが集まります」とは(一言では)言い表せないほどさまざまな人たちが集まっています。ポスターセッションでお話しすることをきっかけに、私の知らなかったPythonの利用用途などを教えていただくことも多く、面白かったです。
司会:ありがとうございます。向山さんにもお伺いします。どういった方がポスターを見に来られました?
向山:何かしらDjangoに引っかかりがある方がほとんどの印象で、その中では幅がありました。しっかりDjangoでWebサービス作っている方もいましたし、昨日Pythonを初めてインストールした方もいました。あとはJavaのフレームワークなどをよく使っている方と、「Javaでもバージョンアップとかで予想だにしないところでハマることが多いよね」といった話で盛り上がりました。
司会:お話しに来られる方によって、やはり話す内容に違いとかありましたか?
向山:そうですね。まだ始めたばかりの方だったら「そもそもどうやってPythonを始めてWebサービスを作ったら良いですか」みたいな質問をされていましたし、一方で、年末にDjango 2.0がリリース予定なんですけど、「2.0になったらこう変わる話あるよね」といった結構コアな話で盛り上がった方や、Django 1.11で変更された書き方で「ここ俺もハマった」みたいなニッチな話をする方もいらっしゃいました。
司会:初心者の方が「Pythonどうやって始めればいいですか」といった質問をするのはすごいですね。本当にこれをきっかけに始める予定だと。
向山:そうですね。その方は60歳近い技術系の方で、最近は全然プログラムを書いていないけれど、定年退職したらまた趣味でいろいろ書きたいそうで、PyConに参加されたようです。なので「Pythonってどうなの?」って言っていましたね。
司会:ありがとうございます。いろんな方がポスターを見に来られたと思うんですけど、石田さんは特に印象的な話ってありますか?
石田:そうですね。似た内容の質問をされることが多いなといった印象がありました。コミュニティの所属人数や規模に関心のある方は多いようです。事前に登壇者内で「こういう順番で話そうね」と打ち合わせしていたにもかかわらずPyCon APACのことはあまり聞かれないなんてことも多かったです(笑)。印象的なお話は、海外の男性から「僕の住んでいる地域にはPyLadiesがないのだが、どうやったら作れるか」と相談をいただいたことです。どうやったらこんなに女性が集まって活発にやれるんだと言っていただけて、少しディスカッションをしましたね。新しいPyLadiesができる予感がして印象深かったです。
司会:ありがとうございます。経験も多種多様な方たちが来られたと思いますが、そういった方と話してPythonの広がりをどのように感じられましたか。
向山:意外といろんな方がいろんなところでPythonを使われてるんだなー、というのは実感しましたね。実際にポスターセッションをやっていると、SIerでDjangoもしくは別のPythonのフレームワークを使っているだとか、あとは自社サービスや研究で使っている人もいました。表に出てこないけれど、いるところにいるんだなと思いました。今回いろんな方と話す中でも出たんですけど、「Django Conferenceやろう」みたいな話があるみたいです。それを盛り上げて、Djangoを使う人たちとかDjangoの深いところを知っている人たちとかで集まって、もうちょっとコミュニティを盛り上げていこうみたいなのは、私はすごいいいなと思います。
司会:確かにその他のイベントと比べると、Djangoで集まるところは少ないですね。
向山:いるところにはいるから、私も集まれる場所を作ってやりたいなと思いましたね。
司会:石田さんはポスターセッションに参加してみて、「Pythonはこんな風に広がっているのだ」と感じたことはありましたか?
石田:やはりデータ分析がとてもバズっているんだなと感じました。最近Pythonを始めました、とお話してくれる方は「データ分析をやってみたくて」という方が圧倒的に多かった印象です。そのほかに、大学教授など学術系の方たちにたくさんお会いしたことは、個人的にうれしい発見があったかなと思います。逆に少し寂しかったのは、Webシステムに興味があるといった話をあまり聞かなかったことですね。私ももともとはWeb系の人間なので、Webの方にもうちょっと興味を持ってもらえたらうれしいなぁと思いました。
せっかくこれだけデータ分析がはやって、Pythonがはやっているんだから、その波に別の界隈の人も一緒に乗っかってPythonを盛り上げていけたらいいのかなって気がしました。Web系のシステムとか、セキュリティとかテストとかなんでもいいと思うのですけれど。
司会:PyLadiesの中でもセキュリティやテストをやっている人は少ないようですね。
石田:少ないですね。PyLadies Tokyoなどではまだ「システムを作ってみたい!」といったレベルの人が多く、もう一段階ステップアップして品質について考えるフェーズまでたどり着いてない気がします。今後PyLadies TokyoのMeetupなどでもやっていきたいですね。