CodeZineに寄稿いただいている執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表の山田祥寛さんのKindle本『速習 Kotlin』が9月26日に刊行されました。サクッと短時間で学べるKotlinの解説書です。
Kotlinは、Javaより簡単&スマートに書けると人気の言語です。Android Studioでも正式採用され、現在は主にAndroidアプリ開発で利用されています。
本書は、Kotlinの基本について、8つのPartに分けてサンプルコードとともに詳しく解説しています。本書掲載のサンプルは、サポートページからダウンロード可能です。どんどん動かして試してみてください。
担当編集者からのコメント
WINGSプロジェクト刊行のKindle電子書籍、9冊目です。
気になる技術を短時間で素早く学ぶ、『時間もお金も低コストに』をコンセプトとした「速習シリーズ」。
これまで「速習 React」「速習 ECMAScript 2018」「速習 webpack」「速習 Vue.js」「速習 TypeScript」など、おかげさまで、いずれもご好評いただいており、今回はシリーズ第8弾「速習 Kotlin」です。
内容は、Javaの統合開発環境として有名なIntelliJ IDEAの開発元JetBrainsが開発したオブジェクト指向言語「Kotlin」の解説書です。
Kotlinを素早く学ぶための書籍ということで、Java言語をある程度理解している方をターゲットにし、そこからの差分の知識を習得していただくことを目的としています。その分、短時間でKotlinの基本をマスターできるような構成になっています。
「Kotlinってどんな言語なのかな?」「難しいのかな」「ちょっと気になるな」と思っている方のために、冒頭部分をちょっとだけ覗いてみましょう。
Kotlin(コトリン)は、Javaの統合開発環境として有名なIntelliJ IDEAの開発元JetBrainsが開発したオブジェクト指向言語。初期バージョンのリリースは2011年7月と、ごく新しいプログラミング言語です。比較的新しいと言われるC#ですら、初期バージョンは2002年ですから、Kotlinの新しさは群を抜いています。そんなKotlinが急速に耳目を集めたきっかけは、なんといっても、Google I/O 2017です。
GoogleのAndroidチームが、Kotlinの正式サポートを表明したのです。これによって、Kotlinは、一気に「いま学ばなければならない言語のひとつ」の地位を得たわけです。その後、2017年10月には、Android Studio 3がKotlinをサポートしたことで、開発のための環境も整いました。それから1年、既にAndroidアプリをKotlinで開発しているという人も少なくないのではないでしょうか。
「折角、Java(や別の言語)を学んだのに、また新しいことを勉強しなければならないの?」と思った人も、心配することはありません。Kotlinの文法は、Java/Scalaなどをベースとしています。これらの言語を理解している人であれば、おそらく初見でも、基本的なKotlinコードを読み解くのに不便はないはずです。
また、コンパイルされたコードはJava仮想マシン(JVM)の上で動作します。いわゆるJVM言語ということで、従来からある膨大なJavaリソースをそのまま流用できます(KotlinコードからJavaライブラリを呼び出すこともできますし、その逆も然りです)。つまり、既存のJavaアプリはJavaアプリで活かしつつ、Kotlinを部分的に導入していく、ということが可能です。
Kotlinはいま学ぶに足る言語であると同時に、気軽に学び始められる言語でもあるのです。加えて、Kotlinでは、偉大な先駆者(言語)のノウハウを、文法面でも貪欲に取り込んでいます。Kotlinを学ぶことは、それらのグッドパターンを学ぶきっかけにもなるでしょう。
いかがでしょうか。ほんの一部だけですが、少し興味がわいてきたでしょうか。「もっと知りたいな」と思われた方はぜひ、続きを読んでみてください。
通勤中の電車の中やちょっとした隙間時間でも読めるように、なるべくコンパクトに情報をまとめ、図やサンプルコードと合わせて解説しています。本書掲載のサンプルコードは、サポートサイトからダウンロードできるので、是非、ご活用ください。
一般読者からのコメント(嶽 雅也さん)
Androidの公式サポート言語として、一気に着目を浴びたKotlinですが、Flutterの検証などで少し触ったことがある程度だったため、今回書籍レビューアに応募いたしました。早速ですが、簡単にレビューさせていただきます。
まず、書籍にざっと一通り目を通した感想をものすごく端的にいうと、「Kotlinを最初に始める際に目を通しておきたかった書籍」という印象です。全体としては、以下の良かった点と改善点があると思いました。
良かった点:
- 文法の基本的なところを幅広くカバーしてくれていること
- 新しい言語を実行するときにはハマりがちな実行環境について、丁寧に複数紹介していること
- 関数のインライン化、SAM変換や関数の名前付き引数と名前なし引数の順番によってコンパイルエラーが出るところなど、細かいところまでカバーしていること
改善点:
- コルーチンの話が欲しかったこと
また、サンプルコードが整備されていることや、コラムなどで紹介されていたPairやTripleの話は自分も同じことを思ったので、細かいケアも書籍内でサポートされている印象でした。
Kotlinについてですと、私自身Scala、Swiftと経験してきましたが、他の言語の良い点を引っ張ってきている言語の印象です。サーバサイドなどはScalaで良いじゃんとは思いましたが、Android開発ではほぼKotlin一択なので、便利な言語が出てきて嬉しいなという印象です。Android開発として、Kotlin自体を触れる機会が増えてきそうなので、ぜひ本書を活用させていただきます。
以上、レビューとさせていただきます。
仕様
Part 1:イントロダクション
- Kotlinとは?
- Kotlin学習の準備
- はじめてのKotlin
Part 2:基本構文
- 変数 - var命令
- リテラル表現
- null許容型
- 型変換
- 配列
- 定数
Part 3:演算子/制御構文
- 演算子
- 制御構文
Part 4:関数
- 関数の基本
- 関数のさまざまな表現
- 高階関数
- ローカル関数
Part 5:オブジェクト指向構文
- クラスの基本
- プロパティ
- コンストラクター
- パッケージ/インポート
Part 6:継承とインターフェイス
- 継承
- インターフェイス
- 型変換
Part 7:特殊なクラス
- データクラス
- オブジェクト宣言
- オブジェクト式
- コンパニオンオブジェクト
- Enumクラス
- ジェネリック型
Part 8:もっとオブジェクト指向
- 拡張関数
- 演算子のオーバーロード
- 入れ子のクラス
- 委譲プロパティ
- 委譲クラス
書籍情報
- 著者プロフィール
- 基本情報
- サポートサイト
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です