OpenStack Summit Berlin参加レポート ~エコシステムの拡大を受けて次回はオープンなクラウド基盤全般を扱うイベントへ~
「OpenStack Summit | Berlin 2018」イベントレポート 前編
OpenStack Summit Keynote(2日目)
2日目のKeynoteは、OpenStack FoundationのCOOであるMark Collier氏からOpenStackの次のバージョン名は、「Train」となることが発表されました。OpenStackでは、リリースバージョンの名前をアルファベット順につけており、「Austin」からはじまり、最新リリースは「Rocky」、現在開発中のバージョンは「Stein」となります。
次回より、「Open Infrastructure Summit」となる本イベントですが、次回は2019年4月29日から5月1日に米国デンバーで開催されます。デンバーの次は、2019年の第4四半期に中国で開催されることが発表されました。本イベントとしては、2013年の香港につづいて2回目の中国開催となります。中国には非常に多くのOpenStack開発者やユーザがいるため、盛り上がることが予想されます。PTGと呼ばれる開発者向けのイベントは年2回、本イベントとは別々に開催されていましたが、次回のデンバーよりPTGも合同で開催されることになりました。


OpenStack Foundationは、Open Infrastructureの実現に向けて、「Airship」「Kata Containers」「StarlingX」「Zuul」の4プロジェクトをパイロットプロジェクトに認定しました。パイロットプロジェクトは、「Open Design」「Open Development」「Open Community」「Open Source」の4つのOpenを原則とし、Open Infrastructureに関するプロジェクトの中から、Foundationのスタッフによって選定されます。パイロットプロジェクトは、18か月間の活動を経て、ボードメンバーの投票により正式なプロジェクトとして認定され、OpenStack Foundationから投資や支援を受けることができます。
OpenStackのようなオープンソースコミュニティの発展と維持には、開発やバグ修正など、さまざまな観点でのコントリビューションが欠かせません。本イベントでは、10名の著名なコントリビューターを表彰し、メダルの授与が行われました。OpenStack Foundationでは、コントリビューターを育てるメンタリング制度もあり、継続的な発展に向けて後進育成にも力を入れています。
2日目のKeynoteでは、Airshipを導入しOpenStack環境をコンテナで運用しているAT&TやZuulによってOpenStack上のソフトウェア開発のCI/CDを実現しているBMW、StarlingXを推進しているIntelなどから取り組みの紹介がありました。
CannonicalのCEOであるMark Shuttleworth氏からは、Ubuntu 18.04の長期サポート(LTS)が10年間となることが発表されました。Ubuntuは、2014年にリリースされたOpenStackの「Icehouse」バージョンのサポート継続を明言しました。
OpenStackでは、優れた利用者をOpenStack Superuserとして年2回表彰しています。2日目のKeynoteは、OpenStackをベースにパブリッククラウドやプライベートクラウドビジネスをヨーロッパで展開しているCity NetworkがOpenStack Superuser Awardを獲得して幕を閉じました。2015年には、NTTグループが日本ではじめてOpenStack Superuser Awardを受賞しています。
以上、OpenStack Summit BerlinのKeynoteについて紹介しました。サミット名の変更が発表されたように、OpenStackコミュニティの今後の方向性を示す節目となるようなイベントでした。サミット内のセッションについては後日、後編の記事で紹介しますので、そちらもご覧ください。
本記事のレポーター
本橋賢二、相良幸範、田代充良、村中清史(NTTデータ)
(左から田代充良、相良幸範、本橋賢二、村中清史)
この記事は参考になりましたか?
既に会員の方はを行ってください。
- 「OpenStack Summit | Berlin 2018」イベントレポート連載記事一覧
-
- IoTや5G通信を利用した次世代技術の実用化、大規模プライベートクラウドの運用自動化など【...
- OpenStack Summit Berlin参加レポート ~エコシステムの拡大を受けて次...
- この記事の著者
-
本橋 賢二(NTTデータ)(モトハシ ケンジ)
米国駐在時に、OpenStackやOpen Compute、Open Networking Foundationなど、クラウド(IaaS)に関するオープンイノベーションに取り組む。特に、OpenStackは創設メンバーの一人として設立当初より深く関わり、Austinで開催されたOpenStack初回...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
-
相良 幸範(サガラ ユキノリ)
運用技術の研究開発、クラウド基盤ソフトウェアのストレージドライバ開発などを経験し、近年は通信事業社向け大規模クラウドの設計に従事。OpenStackは最初期から携わり、ソースコードレベルでの問題解析・パッチ作成・独自機能開発などを行う。インフラソフトウェアエンジニア。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
-
田代 充良(タシロ ミツヨシ)
金融分野のミッションクリティカルシステムへのIaaS基盤・PaaS基盤の導入の経験を経て、現在は、社内の「統合開発クラウド」にてOpenStackのサービス開発・運用やOpenStackコミュニティでの高可用性向けプロジェクトの開発に従事する。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
-
村中 清史(NTTデータ)(ムラナカ キヨシ)
NTTデータ システム技術本部に所属し、クラウド基盤設計・運用を専門とする。通信事業者向け大規模ミッションクリティカルシステムや全社プライベートクラウド基盤へのOpenStack導入を経験し、現在はデジタルトランスフォーメーション推進向けクラウド基盤の技術検証に従事する。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
