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「OpenStack Summit | Berlin 2018」イベントレポート

OpenStack Summit Berlin参加レポート ~エコシステムの拡大を受けて次回はオープンなクラウド基盤全般を扱うイベントへ~

「OpenStack Summit | Berlin 2018」イベントレポート 前編


OpenStack Summit Keynote(1日目)

OpenStack Summitの現在と未来を語るJonathan Bryce氏
OpenStack Summitの現在と未来を語るJonathan Bryce氏

 1日目のKeynoteで、OpenStack FoundationのExecutive DirectorであるJonathan Bryce氏から「OpenStack Summit」が次回より「Open Infrastructure Summit」へ変わることが発表されました。現在、世界中で75ものパブリッククラウドのデータセンターがOpenStackで稼働しており、プライベートクラウドも含めれば非常に多くのデータセンターでOpenStackが稼働しています。金融、公共、テレコム、製造業など、さまざまな分野で利用されており、1,000万コアものコンピューティングリソースがOpenStackによって提供されています。

OpenStackで稼働するパブリッククラウド
OpenStackで稼働するパブリッククラウド
OpenStackのユーザ一覧
OpenStackのユーザ一覧

 一方で、仮想マシンやデータセンターを管理するOpenStackだけでは、日々変化するクラウド基盤に求められるニーズへ対応するのが難しくなってきており、コンテナやNFV、エッジコンピューティング、GPU、AI、CI/CDといった領域まで「Open Infrastructure Summit」ではスコープを広げようとしています。実際、本イベントでも、OpenStack以外のセッションが数多く取り上げられています。

OpenStack Summitのセッション一覧
OpenStack Summitのセッション一覧

 先日、IBMによる買収が発表されたRed Hatや、2016年からパブリッククラウドサービスを開始したドイツテレコム、VolksWagen、HuaweiなどからOpenStackに関連する取り組みや導入事例が紹介されました。

 Red HatからはOpenStackの最新バージョンである「Rocky」をベースとしたRed Hat OpenStack Platform 14のリリース(11月13日)がアナウンスされ、OpenStack上のOpenShiftをより強化していくことが発表されました。IBM買収に関する発表は特にありませんでしたが、スライドの色が赤ではなく、青みがかっていたのがRed Hatの未来を象徴しているかのようで印象的でした。

Red Hat OpenStack Platform 14リリース
Red Hat OpenStack Platform 14リリース

 1999年に創業したフランスのVPS(Virtual Private Server)企業であるOVHは、世界中に28のデータセンターを有し、36万台のサーバ、140万ものお客様を抱えています。商用環境で26万インスタンス(仮想マシン)、Swiftと呼ばれるオブジェクトストレージで150ペタバイトもの大規模な環境をOpenStackで運用していることが紹介されました。すでに稼働している24の地域に加えて、新たに3地域を追加していますが、OpenStack環境の構築自動化により、8時間でデプロイを完了しています。

 これだけ大規模な環境の場合、OpenStackのアップグレードが大きな課題となります。OVHは約1年間の研究開発に取り組み、JunoからNewton(いずれもOpenStackのバージョン名)へ、仮想マシンを止めることなく4時間でアップグレードしています。クラウドベンダーや大規模なSNSベンダーの一部は、OpenComputeプロジェクトに代表されるようにサーバやストレージ、データセンターを自ら設計し、製造を専門業者へ委託していますが、OVHは設計だけでなく、サーバを自ら製造し、コスト最適化を実現しています。

OVHのビジネス規模
OVHのビジネス規模

 KeynoteではOpenStackの更新量についても取り上げられました。OpenStackは、1年間で70,000もの更新が取り込まれており、最新バージョンの「Rocky」では182回もの更新が1日に発生しています。更新は、米国が最も多く、中国、イギリスが続いてますが、4番目に多い国が本イベントを開催したドイツとなっています。日本は、7番目に更新が多い国となっています。OpenStackは、数多くの商用環境で採用されており、昨今では運用者向けの改善や機能追加が増えています。PTG(Project Teams Gathering)と呼ばれる開発者向けのイベントへ運用者の参加も増えており、更新全体の20~30%は運用者によるコミットとなっています。

国別コミット数
国別コミット数
運用者のコミット割合
運用者のコミット割合

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OpenStack Summit Keynote(2日目)

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この記事の著者

本橋 賢二(NTTデータ)(モトハシ ケンジ)

米国駐在時に、OpenStackやOpen Compute、Open Networking Foundationなど、クラウド(IaaS)に関するオープンイノベーションに取り組む。特に、OpenStackは創設メンバーの一人として設立当初より深く関わり、Austinで開催されたOpenStack初回...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

相良 幸範(サガラ ユキノリ)

運用技術の研究開発、クラウド基盤ソフトウェアのストレージドライバ開発などを経験し、近年は通信事業社向け大規模クラウドの設計に従事。OpenStackは最初期から携わり、ソースコードレベルでの問題解析・パッチ作成・独自機能開発などを行う。インフラソフトウェアエンジニア。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

田代 充良(タシロ ミツヨシ)

金融分野のミッションクリティカルシステムへのIaaS基盤・PaaS基盤の導入の経験を経て、現在は、社内の「統合開発クラウド」にてOpenStackのサービス開発・運用やOpenStackコミュニティでの高可用性向けプロジェクトの開発に従事する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

村中 清史(NTTデータ)(ムラナカ キヨシ)

NTTデータ システム技術本部に所属し、クラウド基盤設計・運用を専門とする。通信事業者向け大規模ミッションクリティカルシステムや全社プライベートクラウド基盤へのOpenStack導入を経験し、現在はデジタルトランスフォーメーション推進向けクラウド基盤の技術検証に従事する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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