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DX加速の鍵は「ありたい姿」のデザインと協業――多様なSIer、SaaSベンダーが参加したFTT祭レポート

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システムにおける「デザイン」のあり方とは? UI/UXやブランディングがもたらす価値

 DXにおいて重要な役割を担う「デザイン」。その中で、システムのUI/UXデザインを多く手掛ける株式会社アベデザイン 社長の安部英人氏が「開発会社様が今日から意識するUI/UXデザイン」と題して講演を行った。

 安部氏は、システムにおけるデザインの目的を「クライアントの課題の達成」とし、そのために理由ある論理的なアプローチがあること、導入前から導入後のその先までを見越した影響を考えることの重要性を強調。「UIが快適に操作できることで、UXという“素晴らしい体験”が可能になる。そのためには感覚ではなく、知覚・認知に基づく原理と原則を理解して設計する必要がある」として、「機能性の向上」と「トーン&マナーの演出」を実現するためのさまざまな方法を紹介した。

 さらに「最も重要なのがブランディング」として、企業理念や製品コンセプトをイメージ付けするために、ロゴや企業カラー、世界観などを用いて表現していくことの大切さを強調した。つまり、見た目のきれいさではなく、自社にとって“正しいかどうか”を見定めることが大事というわけだ。

 安部氏は「デザインの本質は、ユーザーに製品を選んでもらい、使って満足してもらうためにある。そのためにはユーザー中心にUI/UXをデザインすることが大事。機能中心・企業中心で設計したUIは使いづらく、操作ミスにもつながる。デザインを正しく導入できれば、社員や顧客の反応が変わり、販売しやすくなる」と語り、改めてデザインの重要性を強調した。

注目度が高まるサブスクリプション、勘違いしがちなポイントと成功の鍵とは?

 続いて、AXLBIT株式会社 社長の長谷川章博氏からは、「DXを加速させるサブスクリプション ビジネス成功の秘訣」と題して講演が行われた。

 近年多くのサブスクリプションサービスが展開されている。その背景にはDXによる、旧来の産業とソフトウェアを組み合わせによる「新しいサービス形態への変革」があり、そのマネタイズの方法としてサブスクリプションがあるというというわけだ。

 市場のくくりが曖昧ながら、サブスクリプションの国内市場規模は「BtoB×無形物」で約8121億円*、BtoCでは有形物、無形物を合わせて約6835億円**と推定されており、今後の成長が期待されている。投資動向からも「モノよりサービス」への傾向が強まっているのは間違いない。

  • *国内クラウドサービス需要動向調査(MM総研)
  • **2020サブスクリプションサービスの実態と展望(矢野総合研究所)

 世の中ではサブスクリプションを「定額で使い放題」としがちだが、長谷川氏は「本質的には売り上げを安定させ、成長性をもたらすもの。LTV(顧客生涯価値)を最大化する仕組み」と語る。

 固定の価値を分割するリースとは異なり、サービスとしての価値を上げながら利用料を最大化することが目的となる。つまり、事業を成長させるには1人あたりの利用料を上げ、チャーン(解約)率を減らす必要がある。

 また、従来のモノ売りでは「良いものを安く」が顧客価値だったのが、サブスクでは「使いたいものを使う分だけ」となる。長谷川氏は例としてNew York Timesでのデジタルプランを紹介して、サービスのオプション化の重要性を強調。「商品の多品目化×販売チャネルの多様化が利用料アップと解約抑止につながり、成功の鍵となる」と語った。

 さらに今後は流通についても「大量に作ったものを売る」ウォーターフォール型から、「さまざまな機能を多様なプレーヤーが担う」メッシュ型に変わっていくことが予想される。

 長谷川氏は、「サブスクは王(受注)を取れば終わる将棋ではなく、いかに地(LTV)をとるかという囲碁」と表現し、「気を抜くと地面をとられる恐れがある」と警鐘を鳴らした。

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2020年上半期の取り組みを公開、FUJITSU TECH TALK参加企業が事例共有

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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