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DX加速の鍵は「ありたい姿」のデザインと協業――多様なSIer、SaaSベンダーが参加したFTT祭レポート

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2020年上半期の取り組みを公開、FUJITSU TECH TALK参加企業が事例共有

 基調講演に続き、FUJITSU TECH TALK参加企業による6つのDX事例が発表された。駆け足ながら、そのエッセンスを紹介する。

教育機関向けアプリケーション・ターミナル komachiの開発~短納期スピード開発のチームフレームワークを通して~(株式会社ジオグリフ& Sky Grid株式会社)

 コロナ禍による学校閉鎖に伴う学習のオンライン化により、子どもたちの情報・時間管理に関する課題が表出したことを受け、効率的かつ使いやすい情報管理システムを「FJcloud-O(FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O)」を活用して構築。

 「時間割表機能」で先生・生徒ごとに授業のオンラインでの部屋割りや内容などを把握でき、「タグ機能」で部活や委員会などに加え、「体調を崩しやすい生徒」など独自のタグを入れることで、各人の情報や該当人数などを簡単に把握できるようになっている。あくまで機能を特化し、オープンなアプリケーションコネクトによって多彩な学校向けサービスと連携していくことを想定している。

大規模ECサイトをニフクラに移行するための実践テクニック(株式会社日本オープンシステムズ)

 顧客企業のECサイトのデータセンター設備およびハードウェア老朽化に伴うリプレース案件において、短期間での移設、性能品質の維持、コストの抑制、今後のシステム変更への柔軟な対応などの要件からパブリッククラウドを検討し、ニフクラ(旧名称ニフティクラウド。機能的にはFJcloud-Vと同等)を選定。ニフティと運用契約があり、物理サーバとのハイブリッド活用でアプリ改修費用を抑えられることが決め手となった。システム単位で段階的に移行ステップを踏み、VMインポート+ディスク受取サービスなどをフル利用したことで、リスクを軽減しながら期限内に移設を実現させることができた。

AI-OCRの本当の実力(株式会社Sigfoss)

 AIソリューションプロバイダーとして、従来のOCR技術に対し、深層学習による文字分類や帳票分類、学習による文字識別の精度向上など、AIを活用した「AI-OCR」の研究・開発を行っている。

 帳票の分類、図などの物体検知、ラインリーダーによる文字分類、表組みを読み出すテーブルリーダー、データの構造化による文字識別など、さまざまな技術を用いて帳票からの読み出しを行うというもので、さまざまな企業と協業し、富士通とは地方自治体などとの案件で進捗中だ。現在のAI-OCRはかなり精度が高まっているものの、用途や目的、前後のフローも含めて適するかどうかを見定めることが肝心だという。

VR×ECアバターがガイドする仮想&現実のマーケット融合に挑戦(テクノブレイブ株式会社)

 VRの中にECを組み入れるという新規事業に取り組み始めた同社。右肩上がりでVR市場が向上する一方、コロナ禍に伴い打撃を受けた観光業界の安定収益化につながる商材としてニーズがあるものと判断し、VRによって仮想的な旅行をし、実際のお土産をECで購入するというモデルを考えついたという。さらにモデルとなった現実世界へのツアーチケットを仮想空間上で販売することで、リアルとの融合も想定している。

 プラットフォームには拡張性と信頼性からFJcloud-Oを選定。今後はMaaSと連携し、ユニバーサルな移動実現のシミュレーション基盤としての発展も目指す。

ピットリーをお知らせします!(合同会社ピットリー)

 「ピットリー」とは、FJcloudとAIを活用したコミュニケーション型画像販売サービス。FUJITSU TECH TALKの参加企業である3社が合同会社を作り、支援プログラムによる特別価格で利用することで、コストを最小限に抑えての開発がかなった。

 AIでタグ付けを自動化し、属性のほか、感情や色合いなどからも検索ができる機能を搭載。写真提供者向けに「売れ行きランキング」を設けるなどモチベーションアップの仕組みも設けながら、運用費を抑えて写真利用の費用の低価格化を実現させた。またAIキャラクターとの会話で検索できるようになっており、コミュニケーションを楽しみながら画像検索・購入ができる。

マルチポイントCRMサービスのご紹介~ポイント・Payサービス多様化時代の新たな顧客基盤を実現~(ロイヤリティラボ株式会社)

 「マルチポイントCRMサービス」とは、企業のキャンペーン、継続取引のインセンティブに様々なポイントやPayサービスが活用可能なCRMサービス(顧客管理)。近年、ポイントやPayサービスなどの普及・多様化が進み、消費者ニーズも多様化していることを受け、マルチポイントサービスの機能を全てSaaSで提供している。

 事例の一つとして、静岡県労働金庫のろうきんポイントサービス「Rポ(アルポ)」が紹介された。アルポは、金融取引をポイント化し、nanacoポイント、WAONポイント、ユーコープポイントから好きなポイントを選んでポイントを受け取ることができるユーザの利便性を最優先に考えられたサービスだという。サービスの基盤となるクラウドについては、お客様にセキュリティの観点からの安心感を得ていただくため、FUJITSU TECH TALK事務局が富士通のデータセンター見学などの支援を行った。

困難な状況でも、事業を前に進めるために

 以上、6つのセッションにはそれぞれ画面を通して温かな拍手が送られた。いずれも挑戦的な取り組みであり、事業の成長を目指し、FUJITSU TECH TALKメンバーに向けて連携・協業アピールも積極的になされた。

 昨今の困難な状況で事業の革新や新しい価値を創出をするためには、一開発者、一企業では実現が難しいかもしれない。しかし、中山氏も指摘していた通り、同じビジョンを持った仲間と協力することで、大きな成果に到達できる。それを裏付けるような各社の発表だった。

 今後も富士通はFUJITSU TECH TALKを通じて、日本のデジタル革新を担うクラウド/AIビジネスなどのコミュニケーションHUBとしてのコミュニティ支援を加速させていくという。実際、これまでも参加企業同士の新規ビジネスや協業が多数実現している。また、クラウドをはじめとした最新情報や活用事例を参照できるほか、技術教育の支援プログラムや限定資料・コンテンツの入手も可能だ。

 既存のビジネスを革新したい、新規プロダクトを創りたい企業や開発者の皆さんは、気軽にFUJITSU TECH TALKにジョインしてみてはいかがだろうか。

30分で「FUJITSU TECH TALK」がわかる! 参加企業向けWeb説明会はこちら
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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/12933 2020/11/06 09:00

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