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UX向上のためにもっとも重要なのは? サービスの品質と顧客のエンゲージメントを決定づける5つの要素

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2020/10/22 10:00

 ここ数年、耳にする機会も増えた「サービスデザイン」という言葉。本連載ではその基本について、フェンリルでサービスデザインを担うSD部が解説します。第3回は「サービスの価値を高める要素」についてです。

目次

 皆さんこんにちは。「サービスデザインはじめの一歩」の連載も3回目となりました。

 サービスデザインについて話を進めてきましたが、その責任者として運用に携わったり、自身でサービスを立ちあげた経験がないとイメージするのが難しい領域だと感じる方もいるかと思います。そこで今回は「サービスの価値を高める要素とは」をテーマに、「ユーザー体験(UX)」について掘り下げながら考えていきましょう。

UXを高めるために必要なこと

 サービスのUXを高めるために、もっとも重視すべきことは、そのサービスにおける体験の中核を担う商品の「品質」だと私たちは考えています。(ここでいう商品とは「プロダクト、アプリ、システムなど、実際に利用する目的で購入、契約するもの」を指します)

 どんなサービスでも、そのサービスの本質的な価値を伝えるためのタッチポイント、インターフェースが用意されています。そのコミュニケーションや操作するときの体験は、サービスの価値を決定づけるもっとも重要な瞬間です。

 これはもしかしたら、当たり前のことだと思われるかもしれません。ですが、当たり前のことを当たり前にできている企業が実は少ないということも、ご存知の方が多いと思います。

 振り返ってみると、家電やアプリなどを利用しているときに、「使いにくいな」、「わかりにくいな」と皆さん感じたことがあるのではないでしょうか。サービスの品質を後回しにして広告や販促に予算をかけたとしても、穴の開いたバケツに水を注いでいるのと同じ。ユーザーがサービスから十分な価値を得られないのであれば意味はありません。

 もちろん、最初から最高の品質で顧客にサービスを提供することは難しいですし、継続的に改善するための体制構築や顧客とのコミュニケーションは不可欠。

 となると、サービスの品質向上の次に重要なのは、顧客やステークホルダーに信頼してもらう、好きになってもらうこと。「顧客のエンゲージメントを高める」ために、提供者側の思いや姿勢を、サービスを通じて顧客に伝え続けていくのです。

サービスの品質を決定づける3つの要素とは

 まずサービスとは、顧客とビジネスそれぞれの価値を高めるものでなければなりません。顧客にとって価値のないものは受け入れられませんし、ビジネスとして価値のないものに予算をつける意味はありませんよね。

 ではそんなサービスの「品質」を決定づけるものとは一体何なのでしょうか。私たちが考えている3つの要素を見ていきましょう。

1.コンテンツ・機能

「コンテンツ・機能」は、サービスにとってのアイデンティティです。顧客にとってなくてはならないものか、そしてビジネスの目標を達成できるのか。このふたつを両立させるアイディアそのものです。

もちろん、顧客ニーズを満たしつつ、ほかにないサービスアイディアを考えられるのがベストではありますし、そのためのフレームワークやプロセスもたくさん存在しますが、実際は思うようにいかないこともあるでしょう。

そんなときには、外部に目を向けることも必要です。サービスデザインに取り組む場合、さまざまなバックグラウンドを持つ人をプロジェクトに招き入れ、多様な視点からサービスを捉え直すこともオススメです。それにより、提供者としての立場や業界の慣習によってバイアスがかかっていた思考から抜け出すことができると思います。

2.ユーザビリティ

「ユーザビリティ」は、そのサービスの使いやすさ、わかりやすさ、アクセスのしやすさにつながる要素です。同じサービスでも顧客のサービス利用環境や文化や慣習によっては、使いやすいと感じることもあれば、その逆もあります。使いやすいサービスを提供するためには、ユーザー特性や外部環境などさまざまな要因を考慮しなければなりません。

ユーザビリティという言葉は「システムや機器を操作するインターフェースの使いやすさ」という意味で用いられます。もちろん、無形のサービスにおいてもユーザビリティは重要な要素。実店舗であればユーザーが入店してから退店するまでに存在する提供側との全タッチポイントをインターフェースと捉え、そのわかりやすさを追求する必要があります。

提供側はそのサービスについて熟知していますが、ほとんどの顧客は専門用語や業界の慣習、システムのクセを知りません。利用するにつれて理解は進んでいきますが、忘れてはいけないのは、サービスには常に「リピーター」と「新規」それぞれの顧客がいるということ。リピーターからの要望に応えていくとインターフェースが複雑化し、新規のユーザーにとって使いにくいものになってしまうケースはよくあります。

このように、顧客やユーザーがサービスの提供価値に共感するところから利用体験が始まるものの、提供者はどんなタイプの顧客でも提供したい価値どおりの体験ができるよう、注意を払うことが大切です。

そのため、完璧なインターフェースの提供は難しいかもしれませんが、顧客の理解度だけではなく、身体的特徴や文化的背景などの属性にかかわらず、誰でも利用できるようなインターフェースや導線をデザインすることが求められます。そうすることで、より多くの人がサービスの価値を享受できるようになるのです。

3.パフォーマンス

「パフォーマンス」というのは、サービスのスペックであり信頼性を表すもので、とくにデジタルサービスを提供する場合、パフォーマンスに関わる品質はとくに重要です。サービスの提供価値が「スピード」や「信頼性」ではないとしても、そのサービスには「普通に使える」ことが期待されるからです。多くの人がアクセスするようなアプリやサイトでは、サービスのスペックや信頼性を高めることで収益が向上したという事例も多く存在します。

顧客がスムーズに利用できるサービスを提供するために、提供側が内部的な処理に要する時間をパフォーマンスと考えるなら、オフラインのサービスも考えかたは同じです。

注文を受けてから商品を提供するまでの時間、申込書提出からサービスが利用できるようになるまでの時間など、顧客がサービスを利用すると決めてから、その提供価値を体感できるまでの時間は短いほど良いわけです。もし、それ以上短縮できないのであれば、顧客に待ち時間を感じさせない工夫も検討すると良いでしょう。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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