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開発組織が速く仮説検証を回すために設定すべきKPIとは? NewsPicksの事例に学ぶ【デブサミ2021】

【18-E-5】CTOとして招聘されて1年でDX Criteriaを大幅改善するために追求した唯一の成果指標

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2021/04/05 12:00

 高山温氏は2012年にピクシブ株式会社に入社、リードエンジニアとして新規事業や福岡オフィスの立ち上げに携わり、2017年からはCTOとして3年ほど同社の技術部門の組織作りなどをリードした。そして2020年2月に、ユーザベースグループのニューズピックス社(以下、NewsPicks)に執行役員CTOとして入社する。機能や周辺サービスが多く、複雑化していたNewsPicksのシステムでは、エンジニアの間に暗黙知が多く、開発スピードが上がらないなどの問題もあった。その複雑なシステムの課題を解決し、CTOとして開発チームの価値を出せるようにする。そのために高山氏は、超人でもなければできない多様なことを求められるCTOの仕事に対し、「超人じゃなくてもできるCTO作戦」を掲げて取り組んだのだ。

目次
株式会社NewsPicks CTO 高山温氏

株式会社NewsPicks CTO 高山温氏

国内約500人のCTOが作った「良くできたテンプレート」に乗る

 NewsPicksは、株式会社ユーザベースの新規事業として2013年9月に立ち上がり、分社化。現在は、ニュースを扱うメディアとして560万人の会員を擁している。「NewsPicksはニュースを見るためのアプリの側面もありますが、ニュースを起点に世の中のビジネスパーソンの専門性、知見を集め、ビジネスの日々の意思決定を支えるのが主なサービスの内容です」と高山氏は言う。

 経済情報で世界を変えるというユーザベースのミッションが好きで、高山氏はNewsPicksへの入社を決めた。さらにニュースを届けるだけでなくその先で人々の行動を変え、世界を変えることを目指しているのも「日本を真に豊かな国にする」という高山氏の考えとマッチしていた。またNewsPicksでは人とテクノロジーを融合させることで、新たな価値を生み出している。技術者以外にも、記者など他の職種の人が集い、1つのサービスを作り上げているところも気に入っていると言う。

 NewsPicksは2013年の誕生以来、さまざまな取り組みの結果、機能も周辺サービスも増え、「まあまあ複雑なシステム」になっていた。当初はこの仕組みを10名程度の少数精鋭で開発、運用してきたため暗黙知も多かった。その後2年ほどで開発メンバーは一気に50名ほどに増えたため、この暗黙知に頼るやり方では無理が生じ、開発スピードも上がらないなどの課題もあった。

 この状況の中で、高山氏はCTOに就任する。「まあまあ複雑なシステム」を任されたCTOは、チームとして価値を出す必要があった。一般的にCTOにはエンジニアリングマネージャーやプロダクトマネージャー、アーキテクトやチーフエンジニアといった役割のほか、新規開発や研究開発など多様な期待がある。さらには技術者の採用や情報発信も求められる。これらを「全て1人でできるのは、超人だけです。自分は超人ではないので、『超人じゃなくてもできるCTO作戦』で取り組むことにしました」と高山氏。この作戦が「良くできたテンプレートに乗ること」だったと言う。

 その良くできたテンプレートが、日本CTO協会が監修、編纂している「DX Criteria」だ。これは企業のデジタル化とソフトウェア活用のガイドラインで、国内の500人ほどのCTOが参画し、デジタル技術を企業が活用するために必要な要素を、多角的かつ具体的に体系化している。DX Criteriaを活用し「超高速な事業仮説の検証能力を得ること」が目的とされる。

CTO作戦として良くできたDX Criteriaのテンプレートに乗る

良くできたDX Criteriaのテンプレートに乗る

 DX Criteriaでは組織文化面、さまざまな職種の人が集まりタスクをこなすタスク型ダイバーシティー、何に投資すべきかのIT戦略、組織的に知見を溜め、またこれまでの常識を捨てるようなアンラーニングなどがポイントとして挙げられている。さらに自分たちの組織がDX Criteriaのどのポジションにあるかを、自己診断できる仕組みもある。

 自己診断にはチーム、システム、データ駆動、デザイン思考、コーポレートという5つのテーマが設定され、それぞれがさらに8つの項目に分かれている。たとえばシステムテーマの「継続的なデプロイ」では、どういうメトリクスの計測をするのか、どういう学習のサイクルができているかなどが示され、全てに回答することで点数化され、自分たちの立ち位置が見えてくる。

 NewsPicksで2019年末に診断した結果、相対的にコーポレートとチームに強みはあるが、システムやデータ駆動が弱く「新機能開発が先行して開発効率が後回しになっており、開発スピードが出にくい状況」を象徴する結果だった。この診断結果は、数字自体よりも、自分たちと診断結果の差分がどうなるかにこそ意味があるものだと高山氏は指摘する。


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著者プロフィール

  • CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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