みんながやりたいことに取り組んでいるエンジニア組織を作りたい
伊藤氏は新卒で、外資系の証券会社ゴールドマン・サックスにエンジニアとして入社した。ゴールドマン・サックスは、基本的には自社のエンジニアがシステムを全部内製しており、伊藤氏は会計アプリケーションの開発に10年間携わった後、ゴールドマン・サックスで開発しているオープンソースライブラリのプロジェクトリードをしていた。
「僕はゴールドマン・サックスがすごく好きだったんですよ。なぜかというと、エンジニアにとってすごく働きがいのある組織だと思うんです」と伊藤氏は言う。伊藤氏はそこで12年エンジニアとして働いていたが、やがて「ゴールドマン・サックスのような強いエンジニア組織を自分で作りたい」と思い、スタートアップの世界に飛び込んだ。フィンテック系の企業2社で働いたのち、READYFORに入社したのは2019年10月のこと。READYFORでは「強いエンジニア組織を作れそうだ」と確信があったのだと言う。
「エンジニアがどういうときにパフォーマンス発揮するかと考えたとき、エンジニアが自分のやりたいことに取り組んでいるときなんですよね。強いエンジニア組織とは、みんながそういう状態になっている組織のこと。もちろん好き勝手にやればいいというわけではなく、エンジニアが「自分のやりたいことに取り組んでいる」と自覚するように、開発で生み出すビジネス価値を自分ごと化させることが必要になると思っています。そういった組織がREADYFORでは実現できそうだと考えました。
READYFORのビジョンは『誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる』。READYFORではクラウドファンディングによってその世界観を実現しようとしていますが、その世界観を作るエンジニアもビジョンに内包されているわけですよね。自分たちがやりたいことをやることによってその世界観を作ることができる。それだったら間違いなく、僕が作りたいと思っていたエンジニア組織は作れるのではと思ったんです」
伊藤氏が入社した頃は、まだその状態に到達しているとは言えなかった。しかし、現在は道半ばではあるものの、徐々に成果を実感できているという。その目指している世界観に向かって伊藤氏が主に取り組んできたのが「組織の乳化」と「スクワッド体制」の導入だ。