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開発者も魅了――ローコード開発ならお客さまと共に解決策を考え、ビジネスに貢献するシステムが作れる

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2021/09/03 12:00

 「エンドユーザーが困っていることを解決したい」「ビジネスに貢献できるシステムを作りたい」──。業務システムの開発に携わっている開発者の中には、このような想いを持っている人も多いはずだ。システム開発の現場で開発する側も顧客側も笑顔にするソリューションがある。それが開発プラットフォーム「Claris FileMaker(以下、FileMaker)」だ。長野市でZoomなどのオンラインツールを駆使するなど、自分のライフスタイルに合った働き方で、FileMakerを主軸とした企業の内製化支援やスキル移行などのサービスを提供しているライジングサン・システムコンサルティング 代表取締役の岩佐和紀氏は、FileMakerのどこに惹かれ、FileMakerでの開発を推進するようになったのか。その魅力について語ってもらった。

目次

国内外の企業で経験を積み、独立

 岩佐氏が代表を務めるライジングサン・システムコンサルティングは大きく3つの事業を展開している。第1が業務アプリケーションの内製化支援、第2がFileMaker以外の開発言語を使っている開発者への技術指導やスキル移行支援、第3がFileMakerによるプロトタイプ作成支援である。「法人にはしていますが、従業員は私1人。開発プロジェクトを受ける時は、同じくフリーランスの開発者とチームを組むという方法を採用しています」(岩佐氏)

ライジングサン・システムコンサルティング 代表取締役 岩佐和紀氏
ライジングサン・システムコンサルティング 代表取締役 岩佐和紀氏

 岩佐氏が新卒で入社したのは敷島製パン株式会社の情報システム部門。COBOLでメインフレームのシステムを開発していたという岩佐氏。メインフレームの開発者を約6年経験した後、故郷の宮崎に戻り、ソフトウェア開発会社に転職。客先に常駐し、ある大規模システムの一部を仕様書通りにコードを書く仕事に1年間従事した。

 その後DOLCE&GABBANAやBMWなどの外資系企業の情報システム部門を経て、前職のベストブライダル(現 株式会社ツカダ・グローバルホールディング)に入社。基幹システム刷新プロジェクトのマネジャー的な立場を務めた。そして2006年8月に独立し、ライジングサン・システムコンサルティングを起業した。独立はツカダ・グローバルホールディングに入社する時から決めていたが、きっかけは子どもが生まれたことだった。

 「入社したのはツカダ・グローバルホールディングが上場する前のタイミング。社員は皆若く、『これからみんなで会社を大きくしていこう』と勢いにあふれていました。仕事は深夜まで及び、タクシーで帰ることも珍しくありませんでした」(岩佐氏)

 これまで経験した外資の企業でも、ハードに働く人をたくさん見てきた岩佐氏。「ツカダ・グローバルホールディングの基幹システム刷新は上場のためのプロジェクト。それに携わるのは楽しかったのですが、妻に子育てを一任するのはよくないと感じました。仕事をしながら、子育てやプライベートを充実させるのは無理があったため、独立し、業務委託契約にしてもらいました」と岩佐氏は当時を振り返る。

 正社員から業務委託契約にスムーズに移行できたのには理由がある。岩佐氏はツカダ・グローバルホールディングの最終面接で「将来、独立すると思いますが、それでも私を雇用して頂けますか?」と塚田社長に逆質問していたのだ。すると塚田社長は「起業するのは良いが、そんなにうまくいくものではない。起業しても、最初のクライアントはウチにすれば良い」と回答。この塚田社長の言葉通り、岩佐氏は起業した後も業務委託契約を結び、ツカダ・グローバルホールディングの基幹システム刷新プロジェクトを牽引した。「このような形で独立したので、まったく不安はありませんでした」(岩佐氏)

 そして独立から3年後の2009年、岩佐氏は横浜から長野に移住する。「私が生まれたのは宮崎県。自然豊かな場所で育ったので、その幼児体験と照らし合わせると、首都圏で子育てすることを想像できなかったのです。娘が3歳の時に複数の移住候補地から縁があった長野に移住しました」(岩佐氏)

 当時のクライアントはすべて都内。しかし、オンラインミーティングツールのSkypeを使えて、光回線も敷設されていたため不便を感じなかったという。

最初はFileMakerを疑問視――しかし”あること”をきっかけに独特の世界観に魅了されていく

 独立前も独立当初も、「FileMakerを仕事にするとは思っていなかった」と言う岩佐氏。そんな岩佐氏がFileMakerに出会ったのは、ツカダ・グローバルホールディングに入社した2004年4月。当時のツカダ・グローバルホールディングは国内ウェディングと海外ウェディングの2つの事業を展開していたが、海外ウェディング部門のトップがFileMakerを好んでおり、FileMaker Pro 6で海外事業の基幹システムを自作で構築していた。

 「情報システムを担当する私からすると、FileMakerはまったくの野良システムのような印象がありました。情シスが関与していないシステムで生成されたデータを決算に使っているのは、上場審査基準上、非常にまずいわけです。それにもかかわらず、海外事業ではFileMakerを使っている。FileMakerで何ができるのかもわからなかったため、FileMakerにはあまり良い印象を持っていませんでした」(岩佐氏)

 FileMakerのライセンスを追加購入したいという稟議がきても、受け入れなかったという。そんな岩佐氏が、なぜFileMakerを使って開発するようになったのか。それは、国内ウェディング事業の基幹システムだけではなく、海外ウェディング事業の基幹システムを刷新することになったことがきっかけだという。

 「海外ウェディング事業の基幹システムは、FileMaker以外で構築することにしました。しかし、国内ウェディングの開発プロジェクトをマネジメントしながら、海外ウェディングの開発プロジェクトを手がけたため、海外ウェディングのプロジェクトが失敗してしまったのです」と岩佐氏は当時を振り返る。

 プロジェクトが失敗したといっても、途中で頓挫したわけではない。数千万円かけて海外ウェディング事業用の基幹システムを構築したものの、エンドユーザーからは「こんな使いにくいシステムになってしまった」「前のFileMakerで作ったシステムの方が断然良かった」と言われてしまったのだ。

 気持ちが沈む岩佐氏を尻目に、また海外ウェディング事業のトップがたったの約3カ月で、FileMakerで新しいシステムを構築し、リリースした。「現場の反響も非常によく、業務も正しく回っていました。さらにショックを受けましたが、FileMakerには自分の知らない何かがあると思い、今度はFileMakerを自腹で購入してきちんと勉強することにしました」(岩佐氏)

 すると、FileMakerは、正しい手順や正しい設計をすれば、システム監査にも通るシステムを開発できるツールだと言うことがわかった。岩佐氏は勉強を続け、海外ウェディングのトップが作ったFileMakerのシステムを開発者目線で上場審査に通るように改良していった。

岩佐氏が過去に作成したカスタムApp
岩佐氏が過去に作成したカスタムApp

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著者プロフィール

  • 中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

     大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

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