今や個人が所有するデバイスの数も増加しており、アプリ開発者は各プラットフォームに合ったものを迅速に提供することが求められている。そこで注目されているのが、クロスプラットフォームフレームワークである。iOS/Androidによるアプリ開発を長年提供してきたゆめみでは、これまでの知見を生かして、Flutterを活用したい開発現場向けに、内製化支援サービスの提供を開始した。Flutterの活用により、モバイルアプリ開発はどう変わっていくのか。Flutterエンジニアリングのエキスパートであり、ゆめみの戦略技術顧問に就任した小野将之氏と、ゆめみでテックリードを務める室山大輔氏に話を聞いた。
ネイティブアプリ開発の課題点とクロスプラットフォームという選択肢
2000年の創業以来、さまざまなWebサービスの豊富な専門知識を生かし、これまで400社以上の企業と共に全世界5000万MAUに達するWebアプリケーションやスマホサービスを企画・開発してきたゆめみ。単なる受託開発会社としてではなく、クライアントのビジネス課題やユーザーを理解し、ともに共創・成長する内製化支援というアプローチでクライアントのデジタルサービスを加速させるパートナーとして時代やニーズに合わせた技術をアップデートしている。
そのゆめみが、AndroidとiOSなどに対応したFlutter技術を活用した内製化支援を本格的に提供開始することを2021年10月28日に発表した。モバイルアプリの開発において、ノーコードでのアプリ開発に加えて、Flutterを活用したクロスプラットフォームでのアプリ開発が一般化されると考えたからだ。
ゆめみではこれまでもさまざまな規模のネイティブアプリ開発を手がけてきた。だが、そこには次のような課題があったという。
- 開発言語の違いにおけるエンジニアリソースの多重化
- ネイティブAPI、端末の仕様の相違による実現可能な仕様の制限
- 開発環境の違いによる手法の相違
- エンジニア教育の多重化
- 上記の相違を加味した総合コスト
「プロジェクトによっては、これらがデメリットとして作用するケースがあった」
こう語るのは、09年頃よりAndroidのネイティブエンジニアとしてエンタメ系やアトラクション系のアプリを多数開発し、20年にゆめみに入社した室山氏。現在はテックリードを務める傍ら、Flutterのインターナルコミュニケーションや、社外でのFlutterの啓蒙活動に従事している。
これらの課題を解決するため、同社では早くからCordova、Ionic、React Nativeといったクロスプラットフォームアプリの研究を進め、実績を重ねてきた。そして19年からはこれらに加え、Flutterの研究開発、技術導入を実施。その結果、クロスプラットフォームのオプションをFlutterで強化することとなった。
もちろん、デバイスごとに最適なUX/UIを提供する上では、それぞれネイティブアプリを開発・運用することがベターという考えは、今でも同社に残っている。だがこれもプロジェクトゴールやQCD(品質・コスト・納期)のバランスによって選択する、一つの手段だと同社では考えているという。
そんな同社のFlutterを活用した内製化支援サービスを強力にサポートするのが、今回のサービス提供開始に合わせ、ゆめみの戦略技術顧問に就任した小野氏である。
小野氏は08年頃からソフトウェア開発に携わり、12年よりiOSネイティブエンジニアとして、スタートアップ各社でアプリ開発を経験。Flutterへの関心が高まり、触りだしたのは「18年頃から」と小野氏。それ以降、Flutterを勉強し、19年よりFlutterとFirebaseメインで開発するようになったという。また同年7月には独立。現在は個人事業主として、ゆめみをはじめ複数社の技術顧問としてFlutterのプロジェクトに関わっているという。
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中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)
大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...
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