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救急医療の現場で動き始めたDXの舞台裏(AD)

一般のシステム開発と何が違う?――ITエンジニアが医療系のシステム開発に携わる魅力・醍醐味とは

一人でも多くの命を救うためのシステム開発とは? 救急医療の現場で動き始めたDXの舞台裏 第3回

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一般的なシステム開発と医療システム開発の違い

 厚生労働省の調査によると、2020年の医療施設数の総数は17万8724施設(歯科診療所6万7874施設を含む)。日本国内の法人企業数約400万社から考えると、技術者として病院のシステムに携わることは非常にレアとも言える。しかも病院のシステムは間接的に命にも関わることになるため、関心はあっても「敷居が高い」と感じている人も多いだろう。

 医療DXと一般的な企業のDXでは、どんな違いがあるのか。

 「医師である園生も話していましたが、医療現場のDXが進まない理由は、病院のITインフラが古いことが多いことですね」(水島氏)

 だが、古いインフラを刷新し、システムを新しく導入すれば即解決というわけではない。「ここは一般的なDXも同じかもしれませんが、現行のオペレーションを見直す観点が抜けていることが多いです。それを前提にシステムを変えていくことがDXにとって重要だと思います」(水島氏)

 オペレーションの見直しの壁となるのが、先述した古いシステムだ。「院内で稼働中のシステムとAPI連携したいと思ってもできないなど、すぐ壁にぶち当たってしまう。制限がある中で、その壁をどう乗り越えていくか。そこが一般的なDXとは異なる部分だと思います。解決するためにどういうシステムアーキテクチャを構築し、どういうアプリケーションを選択していくのか。こうした難問を解くことは、システム開発に携わる人間にとって非常にやりがいのあることですし、考えるべきことが多いです。そこが医療DXに携わる面白さだと思います」(水島氏)

 例えば「NEXT Stage ER」では、救急隊の入力情報をネットワーク連携やAPI連携ができない病院に対してQRコードとFileMakerを介して迅速なデータ連携ができるように実現している。NEXT Stage ERは、形としては出来上がっているものの、「まだまだ発展し続けているソリューション」と園生氏が言うように、現在もメンバーが修正を加え、新しい機能の開発に取り組んでいる。複数人で同じファイルに対して修正や新しい機能を加えたりすることがあるため、「社内では開発ルールを定めており、それにのっとった開発をすることを徹底している」と水島氏は話す。そしてもう一つ定めていることは、開発ログを残し、それをメンバー全員に共有することである。

 「これはシステムのデグレードを防ぐため」と水島氏。別の人が古いファイルに修正をかけたことで、新しく追加した機能が消えてしまうなどを避けるためだ。「ユーザーにとって今まで動いていたものが動かなくなることは一番のフラストレーションであり、ストレスのもと。そういったことが発生しないような開発体制を整備しています」(水島氏)

医療システム開発に携わる魅力・醍醐味

 水島氏は新卒で入社したシステム開発会社の上司に、「金融系と医療系の開発には関わるな」と言われたという。もしミスがあると金融系ならお金、医療系なら生命に大きな影響を与えてしまう可能性があるからだ。だが水島氏は金融系システムにも、医療系システムにも携わった経験があり「これからもずっと医療系システムの開発に携わっていきたい」と言い切る。その魅力はどこにあるのか。

 「非常に大変ですが、責任が大きければ大きいほど、私にとってはやりがいの大きさにつながります。だから大きな責任を伴う医療系システムの開発にこそ魅力を感じているのだと思います」(水島氏)

 またもう一つ水島氏が挙げてくれたのが、「現場に近いところで仕事ができること」だ。一般的な業務システムの場合、自分が開発したシステムがどこで誰に使われているのかわからないことも多く、実際に使っている人に感想を聞ける機会はほとんどない。

 だがTXP Medicalが提供するシステムの場合、「実際のユーザーの声を聞くことができるので、大きなやりがいになる」と水島氏は言う。Next Stage ERの導入は、開発者自身が病院に出向き作業をする。ある病院で開発者が機能説明をしたところ、現場から大きな歓声が起こったという。「看護師向けの仕組みを追加したのですが、それが現場の看護師さんや先生に好評だったようでした。自分の開発したモノの評価を肌で感じられるのは、本当に嬉しいことだと思います」(水島氏)

 もちろん、良い意見だけではなく、厳しい意見も当然聞くことになる。ショックを受けることもあるが、その経験さえも次の仕事の糧になるという。その上、現場の評価やフィードバックを得られる頻度は、開発スピードが速く、アジャイル開発可能なFileMakerを使っているため多くなる。

 「当社の社長は現在も救急医療の現場に立つ医師。また社長だけではなく、社員の中には医師・看護師をはじめ、医療従事経験者もいます。常に現場の気持ちを感じ、現場に近いところでモノを作れる。それが当社で働く一番の醍醐味であり、魅力だと思います」(水島氏)

 このようにTXP Medicalでのシステム開発は、医療現場の命に関わるシステムのため、大きな責任を伴うことが多い。だがTXP Medicalの目指すことを実現できれば、現在のような救急搬送のたらい回しなど医療システムの仕組みを各地域の現状に合わせて変えていき、社会貢献できる。「そういう魅力があるので、この先も医療システムの開発に携わっていきたいです」(水島氏)

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/16058 2022/08/18 12:00

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