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救急医療の現場で動き始めたDXの舞台裏(AD)

FileMakerの開発や医療業界の経験がない人でも、これまでの経験が確実に生かせる――医療の質改善を目指すベンチャーで働く魅力とは

一人でも多くの命を救うためのシステム開発とは? 救急医療の現場で動き始めたDXの舞台裏 第5回

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 救命センタークラスの大病院救急外来に特化した患者情報記録管理システム「NEXT Stage ER」やICU患者ダッシュボード「NEXT Stage ICU」、救急隊業務効率化アプリ「NSER mobile」を開発、提供しているTXP Medical。同社のソリューションは現在、さまざまな自治体で活用が進んでおり、そのニーズに合わせたカスタマイズをするため、エンジニアの積極的な採用が行われている。TXP Medicalではどんなバックグラウンドのエンジニアが活躍しているのか。同社エンジニアの室園雄三氏と菅繕久氏に同社で働く魅力について話を聞いた。

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医療業界未経験のエンジニアも活躍できる

 「NEXT Stage ER」や「NEXT Stage ICU」「NSER mobile」など、救急医療に特化したITソリューションを提供しているTXP Medical株式会社

 同社の最大の特長は、代表取締役の園生智弘氏をはじめとする現役の救急医がエンジニアとして開発に携わっていること。また同社のVPoE(Vice President of Engineering)を務める水島克幸氏は前職で電子カルテの開発に携わるなど、医療系システムの開発経験を持つ。だがこれまでの連載でも分かるように、園生氏も水島氏も「当社では医療系システムの開発経験がない人でも最前線で開発してくれている」と言い切る。

 FileMakerエンジニアの菅氏はその一人。医療系の開発経験はないが、現在自治体向けのコロナ入院患者調整システムの開発と運用に加え、NEXT Stage ERの病院向けカスタマイズを担当している。菅氏は以前、製造業の工場で品質管理を担当していた。

 「工場では製造履歴を紙で管理していました。何か問題が起きると、倉庫に行ってその履歴を表計算ソフトでまとめてお客さまに報告していたのですが、その作業をもっと楽にしたいと考え、導入したのが Claris FileMakerでした。FileMakerに触れたことで、その面白さに気づき、フリーランスのFileMakerエンジニアに転身。Next Stage ERが誕生した背景が、品質管理を担当していた頃の自分と重なり、共感しました。当時は医療の知識は全くありませんでしたが、FileMakerエンジニアとして新しいジャンルに挑戦したいと考え、TXP Medicalへの入社を決めました」(菅氏)

TXP Medical株式会社 FileMaker エンジニア 菅繕久氏
TXP Medical株式会社 FileMaker エンジニア 菅繕久氏

 一方、室園氏が担当しているのは、Microsoft Azureなどの他のデータベースからFileMakerにデータを取り入れるAPIの開発だ。水島氏が以前務めていた電子カルテの開発会社にSES(システムエンジニアリングサービス)として派遣され、5〜6年、電子カルテの開発に携わっていた。

 「その電子カルテの開発会社のアドバイザーを園生さんが務めていて、人となりがわかっていたこともあり、面白そうなことをやっている会社だと思っていました。SESとして次に話をもらった現場は、医療とはまったく異なる分野。もう少し医療系でキャリアを積みたいと考えていたとき、水島さんから声を掛けてもらいました。それがTXP Medicalに参画するきっかけとなりました」(室園氏)

TXP Medical株式会社 エンジニア 室園雄三氏
TXP Medical株式会社 エンジニア 室園雄三氏

FileMakerの経験は問わない

 菅氏とは異なり、医療システムの開発経験を持つ室園氏だが、TXP MedicalのキーテクノロジーであるFileMakerについては、「製品名は知っていましたが、触れたのはTXP Medicalに入社してから」と明かす。現在、室園氏が担当しているプロダクトが同社の「問診システム」と「日本ECMOnet COVID-19 重症患者状況の集計」ページだ。

国内のCOVID-19におけるECMO治療の成績累計(日本ECMOnetより:https://crisis.ecmonet.jp)
国内のCOVID-19におけるECMO治療の成績累計(日本ECMOnetより
COVID-19重症者におけるECMO装着数の推移(日本ECMOnetより:https://crisis.ecmonet.jp)
COVID-19重症者におけるECMO装着数の推移(日本ECMOnetより

 いずれもFileMaker側と各プロダクト側が、APIでデータ連携される仕組みの開発である。FileMaker エンジニアではない室園氏は「例えば、ボタンを追加するなどの画面の変更もGUIで気軽にできるので、使いやすいソリューションだと思います。また、パラメータを送信する際はJSON形式の文字列を使うので、非常に独特だと思います」とFileMakerについての印象を語る。

 一方の菅氏が初めて触れたのはFileMaker Pro 12。「すごく面白くて夢中で触りました」と、その魅力を次のように語る。「FileMakerの一番の魅力は、思いついたアイデアや考えを短い時間で形にできること。API連携も容易にできるので、できることの幅も広いです。また、FileMaker好きな人たちとコミュ二ティで盛り上がることもできます」(菅氏)

 現在、Claris FileMakerの最新バージョンは19。TXP Medicalでも社内のクライアントを管理するツールや、菅氏が担当している山口県のコロナ入院患者調整システムのフロントエンド部分など、最新バージョンを活用して構築している。

 「FileMaker 19 では cURL、JSON、JavaScript関数が使えるため通常よりも高速な処理が可能になり、UIもリッチにできるようになるなど、さらに魅力的なソリューションとなりました。新しい機能を生かして、FileMaker単体では実装できないUIのセットを用意し、既存の製品に簡単に乗せられる仕組みを作っています」(菅氏)

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医療用語には慣れが必要だが、これまでの開発経験は確実に生かせる

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

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