プリセット
これまで見てきたデザイナでの設定ですが、もちろん外観も変更することができます。その際にとても便利なのが「プリセット」です。プリセットは、各種のプロパティ設定の集合体であり、他のアプリケーションでは「スキン」や「テーマ」と呼ばれることもあります。デフォルトの状態でも、数多くのプリセットが用意されているので、それを選ぶだけで簡単にアプリケーションの見た目、動作を変更することができます。
図11は、これまで作成してきたサンプルプログラムにXBoxプリセットを適用してみたところです。先ほどまでの地味なWindowsアプリケーションと比べて、派手な画面になったのが分かると思います。さすがにビジネス向けのアプリケーションではちょっと派手すぎるかもしれませんが、Windows Vista時代になってアプリケーションの見た目も問われるようになってきました。ときには、このようなアプリケーションもよいかもしれません。
なお、このプリセットについても、UltraWinGridデザイナから適用することができます。方法はやはり簡単で、[基本設定]-[プリセット]-[プリセットの管理]で外観用、あるいは動作用のプリセットを選び、[プリセットを適用]ボタンをクリックするだけです(図12)。一つ一つのプロパティを設定していくとなると、結構面倒ですし、フォームが複数あったりするとその手間が倍々ゲームのように増えていくことでしょう。そのようなときは、このプリセットを利用して、便利にまとめて設定していけばいいのです。
もちろん、既存のプリセットを編集したり、新しいプリセットを作成することも可能です。XBoxプリセットを少々改造(といっても、いくつかのフォント設定を変更しただけですが)して、新しいプリセットを作ってみました。最初にXBoxプリセットを適用し、[基本設定]-[外観ブラウザ]で[セルの外観]-[セル]-[FontData]-[Name]を「Tahoma」に変えます。他の箇所も、同様に変更しましょう。
ひと通り変更が終わったら、先ほどの「プリセットの管理」で、[新規]ボタンをクリックします。「プリセットの追加」ウィンドウが表示されるので、新しい名前を入力し、[コントロールから初期化する]ボタンをクリックして、現在のプロパティ設定をプリセットとして読み込みます。後は、[追加]ボタンをクリックすれば、新しいプリセットの出来上がり、というわけです(図13)。
こうして作成したプリセットは、このプロジェクトだけでなく、他のプロジェクトでも利用することができます。また、プリセットを読み込むユーザー定義のフォルダもオプションで指定することができるので、社内の複数の開発者の間でプリセットを共有するのもよいでしょう。
おわりに
今回は、インフラジスティックス社のコンポーネントの中から、UltraWinGridコントロールの代表的な機能について見てきました。Webアプリケーションがどんどん表現力を高める中、「やはりWindowsアプリケーションでこそ」といった機能を実現する、とても便利なコントロールです。NetAdvantage for .NETにはUltraWinGrid以外にも、高機能なコンポーネントが多数含まれています。これらのコンポーネントを活用して、ぜひユーザーに優しく高機能なアプリケーションを構築してみてください。