まずプロジェクトを生成して環境を整えよう
今回は初回なので、最初に実装の元となるプロジェクトを生成する方法を説明します。
手順1:基本的なプロジェクトの整備
任意のパスに「p001-wijmo」フォルダーを作成して、その中で「npm init」コマンドを実行します。このコマンドでは対話的にプロジェクトの設定ができますが、今回はすべてリターンキーを押してデフォルト値を受け入れます。コマンドの実行が終わると、プロジェクト設定ファイルpackage.jsonが生成されます。
「npm install --save-dev lite-server」コマンドを実行して、プロジェクトにlite-serverをインストールします。「--save-dev」は開発ツールとしてインストールする意味です。この時、package.jsonのdevDependenciesにlite-serverが追記されるほか、依存パッケージを含めたパッケージの詳細が記された「package-lock.json」が生成されます。
次にフォルダーにHTMLファイルindex.htmlを任意の内容で追加します。lite-serverを利用してindex.htmlを表示するため、package.jsonのscriptsにリスト1の通りコマンドを定義します。
"scripts": { "start": "lite-server" },
ここまで設定後「npm run start」コマンドを実行するとlite-serverが実行され、Webブラウザーが開いてindex.htmlの内容が表示されるようになります。
手順2:Wijmoとライブラリファイルを導入
次に、生成したプロジェクトに、実行に利用するWijmoとその他のライブラリファイルを導入します。Wijmoは、公式サイトからダウンロードしたトライアル版のZipファイルから、配布物であるDistフォルダーをプロジェクトに追加して、フォルダー名を「wijmo」に変更します。
また本サンプルでは、CSVファイルを解析する処理(詳細は後述)に「node-csv」ライブラリを使用します。packages/csv/dist/iife/index.jsファイルを、プロジェクトに作成した「csv」フォルダーに配置します。
手順3:JavaScriptとCSSファイルを配置してindex.htmlで参照させる
Webページのスタイルを記述するCSSファイルindex.css、Webページの振る舞いを実装するJavaScriptファイルindex.jsを、それぞれプロジェクトに配置します。これらをWijmoやnode-csvとともに、index.htmlでリスト2の通り参照させます。
<head> (略:charsetやviewportなど) <!-- WijmoのCSSを参照 ...(1)--> <link rel="stylesheet" href="wijmo/styles/wijmo.min.css"> <!-- スタイルを設定するCSSを参照 ...(2)--> <link rel="stylesheet" href="index.css"> <title>Document</title> </head> <body> (略:リスト3の内容) <!-- WijmoのJavaScriptを参照 ...(3)--> <script src="wijmo/controls/wijmo.min.js"></script> <script src="wijmo/controls/cultures/wijmo.culture.ja.min.js"></script> <script src="wijmo/controls/wijmo.chart.min.js"></script> <script src="wijmo/controls/wijmo.grid.min.js"></script> <!-- CSV解析のJavaScriptを参照 ...(4)--> <script src="csv/index.js"></script> <!-- 処理を実装するJavaScriptを参照 ...(5)--> <script src="index.js"></script> </body>
CSSは、Wijmoが提供するwijmo.min.css(1)と、自分で追加したindex.css(2)を参照します。JavaScriptは、Wijmoが提供するファイル(3)とnode-csvのファイル(4)、自分で追加したindex.js(5)を参照します。(3)で参照するWijmoのJavaScriptファイルを表2に示します。No.1と2は必ず必要で、さらに今回はチャートとグリッドを使用するのでNo.3と4を追加で参照します。今後使用するWijmoの機能が増えるごとに、JavaScriptの参照を増やしていきます。
No. | ファイル名 | 役割 |
---|---|---|
1 | wijmo/controls/wijmo.min.js | Wijmo本体 |
2 | wijmo/controls/cultures/wijmo.culture.ja.min.js | カルチャ(日本語) |
3 | wijmo/controls/wijmo.chart.min.js | チャート(FlexChart) |
4 | wijmo/controls/wijmo.grid.min.js | グリッド(FlexGrid) |