SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Power Automate Desktopチュートリアル

無償デスクトップ自動化ツール「Power Automate Desktop」でファイルの圧縮・解凍作業を自動化する

Power Automate Desktopチュートリアル 第20回

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォルダーの内容からzip圧縮形式ファイルを作成する

 設定ファイルで指定した場所に圧縮ファイルを作成して、指定したフォルダーの内容を追加するサンプルを作成します。

[1]JSON設定ファイルを用意する

 「圧縮」フォルダーにJSONファイルを作成し、以下のような内容とします。順に圧縮対象のファイルを含むフォルダー名、圧縮ファイル名、展開対象のフォルダー名です。

 値は適宜任意の値に変更できます。ただしSrcFolderの値のパスは存在して空でないようにする必要があります。また、SrcFolderとDestFolderは別の値にする必要があります。

 準備で作成した「圧縮」フォルダーにUTF-8の形式で名前[設定.json]で保存します。

図:JSON設定ファイル
図:JSON設定ファイル
設定.json
{
  "SrcFolder": "フォルダー1",
  "ZipFile": "圧縮済.zip",
  "DestFolder": "解凍済"
}

 この時点でファイルの配置はこのようになっているとします。フォルダー1の中のファイル・フォルダーが圧縮対象です。

ドキュメント
  └──圧縮
     │  設定.json
     │  
     └─フォルダー1
         │  A.png
         │  B.png
         │  C.txt
         │  D.xlsx
         │  
         └─test
                 C.png

[2]新しいフローを作成する

 Power Automate for Desktopを開きます。

 トップ画面から[+新しいフロー]をクリックして、適当な名前で新規のフローを作成します。

[3]ドキュメントフォルダーを取得する

 [フォルダー]アクショングループから[特別なフォルダーを取得]アクションを配置します。

図:特別なフォルダーを取得アクションの配置
図:特別なフォルダーを取得アクションの配置
図:特別なフォルダーを取得アクションの設定
図:特別なフォルダーを取得アクションの設定

 以下の入力/選択をして保存します。

  • 特別なフォルダーの名前:ドキュメント
  • 生成された変数:%Documents%([生成された変数]を編集するには>を開いてクリック)

[4]基点フォルダーパスの変数を設定する

 [変数]アクショングループから[変数の設定]アクションを配置します。

図:変数の設定(基点フォルダーパス)アクションの配置
図:変数の設定(基点フォルダーパス)アクションの配置
図:変数の設定(基点フォルダーパス)アクションの設定
図:変数の設定(基点フォルダーパス)アクションの設定

 以下の入力をして保存します。

  • 変数:%BaseFolder%
  • 値:%Documents%\圧縮

[5]設定ファイルを読み込む

 [ファイル]アクショングループから[ファイルからテキストを読み取る]アクションを配置します。

図:ファイルからテキストを読み取るアクションの配置
図:ファイルからテキストを読み取るアクションの配置
図:ファイルからテキストを読み取るアクションの設定
図:ファイルからテキストを読み取るアクションの設定

 以下の入力をして保存します。

  • ファイルパス:%BaseFolder%\設定.json
  • エンコード:UTF-8(既定値)
  • 生成された変数:%SettingJson%([生成された変数]を編集するには>を開いてクリック)

[6]設定JSONをカスタムオブジェクトにする

 [変数]アクショングループから[JSONをカスタムオブジェクトに変換]アクションを配置します。

図:JSONをカスタムオブジェクトに変換アクションの配置
図:JSONをカスタムオブジェクトに変換アクションの配置
図:JSONをカスタムオブジェクトに変換アクションの設定
図:JSONをカスタムオブジェクトに変換アクションの設定

 以下の入力をして保存します。

  • JSON:%SettingJson%
  • 生成された変数:%Setting%

[7]圧縮ファイル名変数を設定する

 [変数]アクショングループから[変数の設定]アクションを配置します。

図:変数の設定(圧縮ファイル名)アクションの配置
図:変数の設定(圧縮ファイル名)アクションの配置
図:変数の設定(圧縮ファイル名)アクションの設定
図:変数の設定(圧縮ファイル名)アクションの設定

 以下の入力をして保存します。

  • 変数:%ZipFile%
  • 値:%BaseFolder%\%Setting.ZipFile%

[8]ソースフォルダー変数を設定する

 [変数]アクショングループから[変数の設定]アクションを配置します。

図:変数の設定(ソースフォルダー)アクションの配置
図:変数の設定(ソースフォルダー)アクションの配置
図:変数の設定(ソースフォルダー)アクションの設定
図:変数の設定(ソースフォルダー)アクションの設定

 以下の入力をして保存します。

  • 変数:%SrcFolder%
  • 値:%BaseFolder%\%Setting.SrcFolder%

[9]フォルダーが存在するかを判定する

 [フォルダー]アクショングループから[フォルダーが存在する場合]アクションを配置します。以降のアクションはこれと[End]までの間にアクションを配置します。

図:フォルダーが存在する場合アクションの配置
図:フォルダーが存在する場合アクションの配置
図:フォルダーが存在する場合アクションの設定
図:フォルダーが存在する場合アクションの設定

 以下の入力をして保存します。

  • フォルダーパス:%SrcFolder%

[10]フォルダーのファイルの一覧を取得する

 [フォルダー]アクショングループから[フォルダー内のファイルを取得]アクションを[フォルダーが存在する場合]-[End]の間に配置します。

図:フォルダー内のファイルを取得アクションの配置
図:フォルダー内のファイルを取得アクションの配置
図:フォルダー内のファイルを取得アクションの設定
図:フォルダー内のファイルを取得アクションの設定

 以下の入力をして保存します。

  • フォルダー:%SrcFolder%

[11]フォルダーのサブフォルダーの一覧を取得する

 [フォルダー]アクショングループから[フォルダー内のサブフォルダーを取得]アクションを[End]の前に配置します。

図:フォルダー内のサブフォルダーを取得アクションの配置
図:フォルダー内のサブフォルダーを取得アクションの配置
図:フォルダー内のサブフォルダーを取得アクションの設定
図:フォルダー内のサブフォルダーを取得アクションの設定

 以下の入力をして保存します。サブフォルダーを含めたいのでオンにします。

  • フォルダー:%SrcFolder%
  • サブフォルダーを含める:オン

[12]圧縮ファイルにファイルを追加する

 [圧縮]アクショングループから[ZIPファイル]アクションを[End]の前に配置します。

図:ZIPファイルアクションの配置
図:ZIPファイルアクションの配置
図:ZIPファイルアクションの設定
図:ZIPファイルアクションの設定

 以下の入力をして保存します。

  • アーカイブパス:%ZipFile%
  • 圧縮するファイル:%Files%

[13]圧縮ファイルにサブフォルダーを追加する

 [圧縮]アクショングループから[ZIPファイル]アクションを[End]の前に配置します。

図:ZIPファイルアクション(フォルダー追加)の配置
図:ZIPファイルアクション(フォルダー追加)の配置
図:ZIPファイルアクション(フォルダー追加)の設定
図:ZIPファイルアクション(フォルダー追加)の設定

 以下の入力をして保存します。

  • アーカイブパス:%ZipFile%
  • 圧縮するファイル:%Folders%

[14]実行する

 フローを保存して実行します。

図:圧縮フローの実行結果
図:圧縮フローの実行結果

 [圧縮]フォルダーに指定した名前でzip圧縮ファイルが作成されています。

 zipファイルはExplorerでも中身を確認したり解凍したりできます。

 このサンプルでは使用しませんでしたが、[ZIPファイル]アクションでパスワードやコメントを付与することもできます。

次のページ
zip圧縮形式ファイルを解凍する

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Power Automate Desktopチュートリアル連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

WINGSプロジェクト 飯島 聡(WINGSプロジェクト イイジマ サトシ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/17516 2023/04/07 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング