ギークスは、案件数と案件を探すITフリーランスの人数から算出した「案件倍率」をまとめた「ITフリーランス案件倍率レポート」を11月8日に発表した。このデータは、ITフリーランス市場における需給トレンドを表すもので、四半期に一度同レポートを発表している。今回は2023年7〜9月の案件倍率をまとめている。
2023年7月から9月の案件倍率は、7月:10.46倍、8月:10.48倍、9月:10.96倍と推移し、四半期累計では10.65倍となった。案件数は前年度と比較し、7月:158%、8月:144%、9月:193%と増加しており、案件の内訳としては、SaaS型のサービスを提供している企業様からのお問い合わせが堅調に増加している。
案件を探すフリーランスに関しては、前年度と比較して7月:140%、8月:149%、9月:201%と増加しており、「フリーランス」という働き方にチャレンジするIT人材が増えている傾向。
スキルニーズに関しては、「JavaScript」「PHP」の需要が引き続き高い他、「TypeScript」などのオブジェクト指向言語の案件が人気を多く集めている。また、技術力に加え、開発言語において設計やフレームワークに関する知識を持った、スペシャリスト人材を求める声が挙がっている。
案件数に関しては、例年通り、翌年1月以降開始の案件に向けて、IT人材の確保に動き出す企業が増えることから、10月後半〜11月にかけて増加する見込み。
案件内容としては、NFTやブロックチェーン、AIに関連する案件が増えつつあり、また、年末に向けて季節柄のイベントキャンペーンが増えることから、旅行やレジャーに関連するアプリやサービス等の突発的な案件の増加が予想される。
案件を探すフリーランスに関しては、案件数の動きと同様、1月以降開始の案件に向けて動き出すフリーランスが増える見込み。コロナ禍以降、企業には出社回帰の波が押し寄せてきている中、フルリモートワークやハイブリッドワークでの参画を受け入れる企業は、ITフリーランスからの人気が高い傾向にある。
また、生成AIの発展・進化が目覚ましい中、AIの中でも特に自然言語処理を担うLM(言語モデル)を効率的に使用するために、プロンプトの開発・最適化するプロンプトエンジニアリングへの関心が強まっている。
AIと共存していく時代において、新しい技術や知見を身につけようと能動的に動くITフリーランスが多く見られる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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