「代替されないオンリーワンの強み」を身に着ける覚悟があるか
セッション冒頭、寺田氏は「有名な企業に入れたとして、そこに所属していることで満足していませんか?」と参加者に問いかけた。
グローバルな企業では、年齢や性別、国籍などの枠組みにとらわれない優秀なエンジニアたちが会社を支えており、エンジニア自身の持つスキルや経験を活かして質の高いプロダクトを創り出すことで事業を成長させている。だからこそ、寺田氏は「その企業で何を成し遂げるかが重要。企業の中でのトップを目指すことで、業績が下がったときに"取って代わられる人間"にならないようにしてほしい」と語る。
ChatGPTのような生成AIをはじめとするITの進化が非常に激しい昨今においては、いま正しいことがいつまで正しいのか誰にも予想がつかない。寺田氏は、「IT業界にいる限り、常に自分の技術力をアップデートしなければならない」としたうえで、「技術分野に限らず、”この分野ならほかの人には負けない/秀でている”という強みを、少なくとも1つは身に着けておくと自分自身の市場価値が上がる」と説いた。
こうした強みを身に着けるには「やるという覚悟があるかどうか、それだけだと思う」。なんとも気骨のある姿勢だが、意外なことに、かつては「まったく自信がなく、不安をいっぱい抱えていた時がある」と回顧する。