米Googleは、スマートフォン向けオペレーティングシステム「Android」の新しいAPIとしてスタイラス入力を扱う「Ink API」のアルファ版を10月8日(現地時間)に公開した。Jetpackライブラリの形式で提供し、Android 5.0(APIレベル21)以降に対応する。Android 10(APIレベル29)以降では、入力時の遅延が短くなり、Android 14(APIレベル34)以降では、描画時の性能が向上する。
Googleは元々、Androidにスタイラス入力を扱うAPIを持たせており、入力時の遅延を抑えるための改良も加えてはいるが、必要なクラスが「androidx.graphics」パッケージと「androidx.input」パッケージに分散していた。今回提供するInk APIでは、必要なクラスやモジュールを「androidx.ink」パッケージにまとめて提供する。さらに、描画や、スタイラスの現在位置の検出などスタイラス入力に関係する処理の性能を改善した。
Ink APIは、「strokes」「geometry」「brush」「rendering」「authoring」の5種類のモジュールで構成している。strokesモジュールはスタイラス入力を受け付け、geometryモジュールはスタイラスが指している地点を検出し、brushモジュールはスタイラス入力に応じたさまざまな表示形式を提供し、renderingモジュールは画面への描画を担当し、authoringモジュールはスタイラスの動きに応じたリアルタイム表示を担当する。
Googleはすでに、自社開発のアプリケーションにInk APIを導入しており、写真内の特定の部分を手描きで丸く囲むとその部分に写っている物体について検索する「Circle to Search」機能などで稼働しているという。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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