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ExpoとEASで始める快適モバイルアプリ開発

Expoでのパーミッション管理を学び、カメラとGPS機能を活用したアプリを作成しよう

ExpoとEASで始める快適モバイルアプリ開発 第4回

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 モバイルアプリの開発において、カメラやGPS、通知など、プラットフォームの高度な機能を利用するためには、ユーザーからの明示的な許可(パーミッション)が必要です。本記事では、React NativeとExpo SDKを使って、これらのパーミッションを適切に扱い、より深いプラットフォーム機能にアクセスする方法を解説します。

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対象読者

  • モバイルアプリを作ってみたいReactエンジニア
  • モバイルアプリのリリース作業を手軽に行いたい方

前提環境

 筆者の検証環境は以下の通りです。

  • macOS Sequoia 15.3.1
  • Node.js 23.9.0
  • npm 10.9.2
  • Expo 52.0.37
  • React Native 0.76.7

モバイルアプリにおけるパーミッションの基本

 スマートフォンは私たちの生活に深く根付き、多くの個人情報を扱うデバイスとなっています。カメラで撮影した写真、現在地の位置情報、連絡先リストなど、プライバシーに関わる情報が日々蓄積されています。こういった状況下で、モバイルプラットフォームでは、ユーザーのプライバシーを保護するため、アプリがこれらの情報や機能にアクセスする際にユーザーからの明示的な許可(パーミッション)を求める仕組みが導入されています。

 パーミッションシステムは、ユーザーに「このアプリは何ができるのか」を明確に伝え、制御する手段を提供します。開発者としては、これらのパーミッションを適切に扱うことが、ユーザーの信頼を得るために不可欠です。不必要なタイミングでパーミッションを要求したり、拒否された際の対応が不適切だったりすると、ユーザー体験を大きく損ねてしまいます。

 Expoを使ったアプリ開発では、これらのパーミッション管理を簡単に行うための仕組みが用意されています。本稿では、パーミッションの基本概念から、Expoでの実装方法、そして効果的なユーザー体験を提供するためのベストプラクティスまでを解説します。

 パーミッションを適切に扱うことで、ユーザーのプライバシーを尊重しながらも、スマートフォンの高度な機能を活用した魅力的なアプリを開発できるようになりましょう。

パーミッションとは何か

 パーミッション(許可)とは、アプリがデバイスの特定の機能やデータにアクセスするために必要な、ユーザーからの明示的な承認のことです。

 iOSでは、パーミッションの種類ごとに個別の許可が必要で、アプリがその機能を初めて使用しようとしたときに、システムがダイアログを表示します。一方、Androidでは、パーミッションはいくつかのグループに分類されており、Android 6.0以降では危険なパーミッションについては実行時に個別の許可が必要になりました。

 パーミッションの要求は、ユーザー体験に大きな影響を与えます。アプリを起動した直後に複数のパーミッションを一度に要求するよりも、ユーザーが特定の機能を使おうとするときに、その機能に必要なパーミッションだけを要求するほうが、ユーザーの理解を得やすくなります。

Expoでのパーミッション管理

 Expoでは、パーミッション管理を簡単に行うための仕組みが用意されています。以前はすべてのパーミッション関連の機能が expo-permissions モジュールに集約されていましたが、現在は各機能ごとのモジュールに分散されています。

 例えば、カメラのパーミッションは expo-camera モジュール内で、位置情報のパーミッションは expo-location モジュール内で管理します。

 Expoでのパーミッション状態は、一般的に3つの状態で表現されます。

 granted(許可済み)、denied(拒否済み)、undetermined(未決定)です。アプリが初めて特定の機能を使用しようとする場合、パーミッションの状態は undetermined であり、ユーザーにパーミッションを要求する必要があります。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 中川幸哉(ナカガワユキヤ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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