Googleは5月20日(現地時間)、自律型コード作成エージェント「Jules」をパブリックベータとして公開した。JulesはGoogle Labsにより開発されており、Julesは既存リポジトリと連携し、テスト作成やバグ修正などを非同期・自動で実行できる。これまで一部ユーザー向けに限定公開されていたが、今回すべてのユーザーが利用できるようになった。Geminiモデルが利用可能な地域が対象。

Julesは、従来のコード補完ツールやコパイロット型エージェントと異なり、コードベース全体の文脈を把握した上で、多様な開発タスクを自動的に実行できる。ユーザーが所有するリポジトリと直接連携し、Google Cloud上の仮想マシン(VM)でコードベース全体を複製してタスクを処理する。主な機能は、テスト自動生成、新機能追加、バグ修正、依存関係のアップデートのほか、変更履歴を音声で提供できる。
Julesは非同期で動作し、実行中もユーザーは他作業に集中できる。タスク完了時には、計画、推論、コードの差分などを明示し、ユーザーが結果を把握しやすい設計となっている。プライバシーにも配慮されており、個人のコードが学習データとして利用されることはなく、データはクラウド環境内に分離されて保持される。
Gemini 2.5 Proモデルを基盤としており、複数ファイルにまたがる変更や並行処理もクラウドVM上で高速に実行される。また、GitHubと統合されているため、GitHub上のワークフローに直接組み込むことも可能。
ベータ期間中の利用は無料であるが、利用制限が設けられている。正式な課金体系はプラットフォームの成熟後に導入予定。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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