ネオマーケティングとファインディは、全国の20歳以上の男女を対象に実施した、「事業会社のシステム部門・SIerなどIT関連部門の従業員の働き方に関する経営者と現場の認識」をテーマにした調査結果を、6月6日に発表した。同調査は、2月26日〜3月3日の期間に行われ、800名から有効回答を得ている。
調査対象者のうち、フルリモートまたはハイブリットワークをしている人に、リモートワークを継続したいかを尋ねたところ、「とても継続したい」と「やや継続したい」を合わせた割合は88.5%を占めた。経営者と現場従業員では現場の方がよりリモートワークの継続意向が強く、「とても継続したい」の割合だけでも21.5ポイントの差が生じている。業種別では「情報通信業(受託・支援事業)の従業員」の継続意向が98.6%と、ほぼ全員となっている。

リモートワークにおける課題を尋ねた質問では、「コミュニケーション」「管理・マネジメント」「チームワーク」といった、人間関係性の設計を挙げる回答が上位を占めた。経営者では、「管理・マネジメント」を挙げる回答が目立っている。

IT関連部門の従業員に、業務上の課題を尋ねたところ、「人材不足」(51.0%)と「スキル不足、習得」(45.3%)が上位を占めた。一方で、情報通信業(受託・支援事業)の従業員による回答では、「スキルを高めても報酬に直結しにくい」「自身の貢献度が見えにくい」といった声が多く寄せられたのに対して、情報通信業(事業会社)のシステム部門担当者では、「コミュニケーション」など、組織文化や関係性に起因する課題が多く寄せられている。

事業会社のシステム部門・SIerといった、IT関連部門における従業員に人事評価に対する気持ちを尋ねた質問では、「評価に不満があるか」という設問において、40代エンジニアの62.7%、50代エンジニアの62.1%が「不満あり」と回答した。

「正しく評価されていないと思うか」という設問では、従業員数50〜100名未満のIT関連部門における従業員のうち、76.6%が「正しく評価されていない」と感じている。

「どのように評価されるかは自分にとって重要なことだと思うか」という設問では、従業員数50〜100名未満のエンジニアの86.6%が「そう思う」と回答した。

IT関連部門の従業員に対して、人事評価で満足している部分を尋ねたところ、「公平だと感じる」(19.3%)が最多となったものの、どの従業員規模でも「人事評価に満足している点はない」にもっとも票が集まっている。また、エンジニア全体では「人事評価に満足している点はない」が41.5%だった一方で、従業員数50〜100名未満の企業では66.7%に跳ね上がった。

転職意向を尋ねた質問で、「とても転職したい」または「やや転職したい」と答えた人に、その理由を尋ねた質問では、「収入を上げたい」が49.0%を占め、エンジニアに限れば51.8%でもっとも多く、「評価が適正でないと感じる」(42.6%、IT関連部門の従業員46.5%)がそれに続いている。

同じく、「とても転職したい」または「やや転職したい」と答えた人に、転職先を検討する際に重視する点を尋ねたところ、「収入」が60.1%、「業務内容や裁量」が43.7%だった。エンジニアの結果では、受託・支援事業の従業員は「評価制度」が42.4%と、事業会社のシステム部門担当者よりも9.8ポイント高い。また、「リモートワークの有無」(51.5%)も、事業会社のシステム部門担当者と比較して12.4ポイント高くなっている。

経営者に対して、IT関連部門の従業員の採用・評価への気持ちを尋ねた質問では、「正しく評価できている」が70.3%に達し、IT関連部門の従業員と経営者の間に、大きなすれ違いが生じていることが明らかになった。

IT関連部門の従業員を正しく評価することは難しいかを尋ねたところ、「とてもそう思う」と「ややそう思う」を合わせた割合が69.0%と、経営者もIT関連部門の従業員評価に難しさを感じている。

IT関連部門の従業員を採用する難易度は高いかについて尋ねた質問では、「とてもそう思う」と「ややそう思う」を合わせた割合が79.5%を占めた。

IT関連部門の従業員を正しく評価することは難しいかを尋ねた質問に対して、「とてもそう思う」または「ややそう思う」と答えた経営者に、その理由としてもっとも当てはまるものを尋ねたところ、「適正にすることが難しい」(18.8%)が最多となり、以下「定量的に評価することが難しい」(12.7%)、「公平にすることが難しい」(12.3%)が続いている。

IT関連部門の従業員を採用する上で、重要だと思うことを尋ねた質問(複数回答)では、「業務内容や裁量」(44.0%)、「収入」(40.8%)、「評価制度」(38.5%)といった、やりがいと制度設計を挙げる回答が多く寄せられた。一方で、IT関連部門の従業員が「転職先を検討する際に重視する点」として挙げた「収入」(61.8%)、「業務内容や裁量」(40.0%)、「リモートワークの有無」(39.4%)とはまったく異なっており、とりわけ「リモートワークの有無」を重視するという回答は、エンジニアでは39.4%なのに対して、経営者では13.5%に留まり、その差が顕著に表れている。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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