米Microsoftは、プログラミング言語TypeScriptの次期バージョンとなる「TypeScript 5.9」のリリース候補(RC)を、7月25日(現地時間)に公開した。
TypeScript 5.9では、他のフラグがないプレーンなtsc --initによって生成されるtsconfig.jsonを、よりシンプルで使いやすいものにすべく改善が行われている。
また、ECMAScriptの遅延モジュール評価提案をサポートする新しい構文であるimport deferが導入され、モジュールとその依存関係を即座に実行することなくインポート可能になったため、処理と副作用の発生タイミングをより適切に制御できるようになった。
あわせて、--moduleおよび--moduleResolutionの設定に、Node.js v20の動作をモデル化することを目的とした、node20と呼ばれる安定したオプションを追加している。
さらに、展開可能なホバー(クイック情報の詳細表示)がプレビュー版として追加され、Visual Studio Codeといったエディタを使用している場合に、必要に応じてホバーを展開表示できるようになった。また、言語サーバにおいてホバー時の長さを設定可能になるとともに、デフォルトのホバー長を従来と比較して大幅に長くしている。
そのほか、特定の型のインスタンス化がすでに開始されている場合でも、多くの中間インスタンス化をキャッシュできるようになり、多くの不要な作業と割り当てを回避可能になった。また、ファイルの存在チェック周辺のコードパスにおいて、不要な関数オブジェクトの生成を回避することで、約11%の速度向上を実現するなど、さまざまな機能追加・改善が行われる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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