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Developers Summit 2025 Summer セッションレポート(AD)

“受け身のインフラ”を卒業。東京ガスiネットがNew Relicで実現する「プロダクト貢献」への道

【18-C-2】インフラ担当がプロダクトの信頼性・開発生産性向上に貢献するために ~可観測性を求めた理由~

 チームの存在目的も違えば、使用する技術スタックも違うなど、インフラチームとアプリ開発チームをへだてる溝は、広くて深いのが一般的だ。だが、東京ガスiネットでは、オブザーバビリティ(可観測性)ツールの「New Relic」を用いて、インフラ担当者がプロダクトの信頼性や開発生産性の向上に大きな貢献を果たした。プロダクトチームの一員として、インフラエンジニアが存在感を示す、その手法とは? 同社 DXスペシャリスト部 兼 オープンインフラユニットの村山領氏が語る。

インフラ担当者がプロダクトチームの一員として認められるには

 村山氏が所属する東京ガスiネットは、東京ガスグループのインハウスエンジニアとして、東京ガスグループにおける「安心」「安全」「信頼」のブランドを、ITの側面から支えている。

東京ガスiネット株式会社 DXスペシャリスト部 兼 オープンインフラユニット 村山 領氏
東京ガスiネット株式会社 DXスペシャリスト部 兼 オープンインフラユニット 村山 領氏

 今回の舞台となったのは、東京ガスの受付システムのリニューアルプロジェクトだ。多岐にわたるサービスの中でも、特に重要な「ガス・電気の開始や停止の手続き」を行うシステムを2025年1月に刷新したのだ。

 このプロジェクトにインフラ担当として約2年前から本格的に関わることになった村山氏。新しいシステムでは電話やWebといった複数の受付手段と受付内容を統合的に管理・連携する仕組みを集約することになった。万が一トラブルが発生した場合、顧客に多大な影響がありうるため、信頼性の確保が急務であった。

システムの信頼性を高めるためにインフラチームが参画することになった
システムの信頼性を高めるためにインフラチームが参画することになった

 こうしてプロジェクトチームは、システムオーナーである東京ガスと、アプリ開発を担当するパートナー企業、そしてインフラを担当する東京ガスiネットの3社体制となった。

 だが、システムの信頼性を高めるために、インフラ担当者ができることとは何なのか。そもそも従来の守備範囲であるVM周辺(仮想マシンやOSレベルのリソース管理など)しか把握できていない状況で、できることはあるのだろうか。遅れてプロジェクトに参画した身として、プロダクトチームの一員として認めてもらい、会社の壁を越えた仲間になるには、何かしらの貢献を示す必要があるとも考えた。

 そこで村山氏は、システムの信頼性向上に加え、オーナーやアプリ開発担当者の認知負荷を軽減するために、インフラチームの守備範囲を広げていくことを、チームの内外に対して宣言した。

 また、逃げない覚悟を見せ、チームの関係性や信頼性を築くために、「解散しない専任チームとしてやらせてほしい」と要望した。さらには、プロダクトチームの一員として、継続的に学習しながら楽しんで貢献できる環境をつくるため、「インフラチームでもアジャイルを採用したい」とスクラムでの関与を提案し、実行に移していったという。

 アジャイルでは「何に価値を置くのか」、チームで価値基準の優先順位を明確にしておくことが重要だ。村山氏は、インフラチームとしてではなく「プロダクトチームとしての健全性」を最優先にすると決めた。この土台がなければ、ビジョンや理想の追求はできないと考えたからだ。さらに、この方針を行動レベルに落とし込み、次の2つの禁止を決めた。

  • 他者に対する「べき」の禁止

    自身の主張に対する根拠説明をサボっているときに、人は「〜すべきだ」という発言になりがちだ。なぜそう思うのか理由をしっかりと説明して、共感してもらえるように努める。

  • 「よろしいですか?」の禁止

    「よろしいですか?」と確認することで、相手に責任と権限を渡すことになり、自らの貢献を減らすことにつながる。その代わり、「〜します。気になる点があれば指摘してください」と伝えるようにする。

 「これらを守ることで、強引でもオーナーシップ不足でもなく、ちょうど良い塩梅のコミュニケーションを狙っている」(村山氏)

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インフラチームの貢献範囲を広げるために何ができる?

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

 フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり...

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川又 眞(カワマタ シン)

インタビュー、ポートレート、商品撮影写真をWeb雑誌中心に活動。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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