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Developers X Summit 2025 セッションレポート

「三菱重工が変われば日本の製造業が変わる」——8万人と顧客を支援する内製組織が、縦方向×横方向にプロダクト価値をスケーリングするまで

【session4】重厚長大企業で、顧客価値をスケールさせるためのプロダクトづくりとプロダクト開発チームづくりの裏側

カスタマーサクセスチームが繋ぎ、生成AIが加速させる次のステップ

 複数事業部への展開における体制面の課題に対しては、「カスタマーサクセスチーム」を構築することで対処した。事業部サイドに立ちながら複数プロダクトチームの間を取り持ち、課題の優先順位整理と各チームへの支援を担う役割だ。コミュニケーションのハブとなってパスを整理することで、各プロダクトチームの負荷を軽減し、ボールが落ちるリスクを減らす。

カスタマーサクセスチームの役割——事業部サイドに立ち、複数プロダクトチームの間を取り持つコミュニケーションハブ。事業部の課題把握・優先順位整理・各チームへの支援を担う
カスタマーサクセスチームの役割——事業部サイドに立ち、複数プロダクトチームの間を取り持つコミュニケーションハブ。事業部の課題把握・優先順位整理・各チームへの支援を担う

 このチームの設置によって3つの成果が生まれた。事業部サイドで全体の優先順位付けができるようになったこと。各プロダクトチーム間でボールが落ちることが減ったこと。そしてチーム横断でKPIを確認し、情報を共有し、振り返りをする流れが定着し、全体の一体感が増したことだ。責任範囲の曖昧さという課題は残るが、振り返りを通じた継続的な改善で対処している。

 これらの取り組みが積み重なった結果が冒頭の数字に表れた。1事業部1プロダクトの導入に9カ月かかっていた状態が、1事業部3プロダクトを2.5カ月で導入できる状態へと変わった。スピードだけでなく、同時にカバーできるプロダクト数も増えている。

 ただし山田氏は課題も率直に語った。横に価値をスケーリングしていくには、縦方向の課題解決が常に伴走する。新しい事業部に展開しようとすると課題の解像度がまだ低いことが多く、仮説検証のサイクルに時間がかかるという問題が残っている。

 この構造を変えつつあるのが生成AIだ。「ものを作って検証する」ハードルが下がるほど、相対的に課題仮説の質の重要度が増す。

 「プロダクトオーナーは課題仮説の創出とビジョンのブラッシュアップに注力し、開発者は生成AIを使いこなしながら事業のビジネスモデルや業務プロセスへの理解を深め、課題仮説・ソリューション仮説の創出に貢献する役割へとシフトしていく」——山田氏はこう展望を示し、セッションを終えた。

高速に仮説検証を回していくためのプロダクトオーナーや開発者の役割
高速に仮説検証を回していくためのプロダクトオーナーや開発者の役割

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この記事の著者

近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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