デバイスクラウド運用を安定させる「4つのプラクティス」
ここまで各デバイスクラウドの強みを紹介してきたが、デバイスクラウドには利点だけでなく、特有のデメリットも存在する。主な課題は、ネットワーク遅延、デバイスの可用性、リソース制限の3点だ。
デバイスの可用性、つまり「他ユーザーとの端末競合による待ち時間」については、検証端末の条件を緩和することを提案した。例えば、iPhone 17を対象に自動テストを実行する場合、OSバージョンは26.0でも26.1でも許容するといった柔軟なデバイス指定にすることで、ほかユーザとの端末競合による実行失敗を回避できる。
リソース制限やセッション管理の問題に対しては、実装上の工夫が求められる。例えば数時間におよぶ長大なテストを実行する場合、シナリオを一定単位(10分程度)で分割して実行し、サーバー負荷による強制停止を防ぐ。
また、テストコード内で try-catch を活用し、異常終了時でも確実にデバイスを解放するよう考慮すべきだとした。
コスト管理においては、自社のSLAを定義して優先度の高い端末を絞り込むことや、固定Sleepなどの無駄な待機時間を排除する実装がポイントとなる。
Remote TestKitで提供する「Appium 自動テストクラウド」の価値
最後に、Remote TestKitの詳細が紹介された。同サービスには、テスト自動化フレームワーク「Appium」をクラウド上で実行できるマネージドプラットフォーム「Appium 自動テストクラウド」が含まれている。
Remote TestKitは、日本語による手厚いサポートと定額プランによるコスト予測のしやすさが特徴だ。国内最大級の端末カバレッジを誇り、700機種以上1200台以上の実機を備えている。
目指すのは、クラウド上の端末を手元にあるスマートフォンに近い操作感で使える開発体験だ。Appium 自動テストクラウドを利用すれば、煩雑な環境構築から解放され、エンドポイントの指定を含む数行のパラメータ設定だけで、Appiumテストのスマートフォン実機実行環境が整う。
デバッグ機能も充実しており、自動録画された動画とログを突き合わせることで、Appiumのリクエスト・レスポンスを詳細に確認できる。さらに、特定のAppiumバージョンの指定や、同一端末での連続テストを可能にするデバイス再利用設定など、独自のCapabilityも提供している。
「既存のローカルAppium資産があれば、エンドポイントとトークンの設定変更だけで5分程度で移行できる。帰宅前にテストを実行し、翌朝Web UIで結果を確認するといった運用が非常に効率的だ」と角田氏は締めくくった。
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