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Range操作を便利にするzip/enumerate/chunk/slide[C++ 23]
C++ 23では、Range操作のための新しいRangeアダプターzip/enumerate/chunk/slideが使えるようになりました。
これらの新しいアダプターによって、複数のRangeを組み合わせたり、要素とインデックスを同時に扱ったり、Rangeを特定のサイズに分割したりするなど、コレクションの操作がより便利に直感的になります。
- zip:複数のRangeを組み合わせて新しくタプルのRangeを作る
- enumerate:反復処理する際、要素とそのインデックスを同時に取得する
- chunk:指定したサイズごとに分割する
- slide:一定幅でスライドしながら部分列を取り出す
複数のRangeを組み合わせて新しくタプルのRangeを作るzip関数
zip関数は、複数のRangeをジッパーのように組み合わせて、タプルの新しいRangeを作成します。例えば、2つのベクターから対応する要素のペアを作る際に便利です。
vector<int> v1 = {1, 2, 3, 4, 5};
vector<char> v2 = {'a', 'b', 'c', 'd', 'e'};
auto zipped = views::zip(v1, v2);
cout << "Zipped values:" << endl;
for (const auto& [num, ch] : zipped) {
cout << num << " - " << ch << endl;
} // 1 - a
// 2 - b
// 3 - c
// 4 - d
// 5 - e
要素とインデックスを同時に取得するenumerate関数
enumerate関数は、Rangeの要素とそのインデックスを同時に取得できるようにします。ループ内でインデックス付きで値を処理したい場合に役立ちます。
vector<string> ve = {"apple", "banana", "cherry"};
auto enumerated = views::enumerate(ve);
cout << "Enumerated values:" << endl;
for (const auto& [index, value] : enumerated) {
cout << index << ": " << value << endl;
} // 0: apple
// 1: banana
// 2: cherry
指定したサイズごとに分割するchunk関数
chunk関数は、Rangeを指定したサイズごとに分割します。大量のデータをバッチ処理する際などに適しています。以下は、ベクターを3要素ごとに分割する例です。
vector<int> vc = {1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9};
auto chunked = views::chunk(vc, 3);
for (const auto& chunk : chunked) {
cout << "Chunk: ";
for (int num : chunk) {
cout << num << " ";
}
cout << endl;
} // Chunk: 1 2 3
// Chunk: 4 5 6
// Chunk: 7 8 9
一定幅でスライドしながら部分列を取り出すslide関数
slide関数は、Rangeを一定幅でスライドしながら部分列を取り出します。移動平均の計算やパターン検出など、部分列ごとの処理に役立ちます。例えば、以下はベクターから3要素ずつスライドして部分列を取り出す例です。
vector<int> vs = {1, 2, 3, 4, 5};
auto slided = views::slide(vs, 3);
cout << "Slide values:" << endl;
for (const auto& group : slided) {
cout << "[";
for (const auto& value : group) {
cout << value << " ";
}
cout << "]" << endl;
} // [1 2 3 ]
// [2 3 4 ]
// [3 4 5 ]
C++ 23で利用可能になったRangeアダプターには、他にviews::as_const、views::adjacent、views::strideなどがあります。
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WINGSプロジェクト 山内 直(WINGSプロジェクト ヤマウチ ナオ)
<WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。 2026年時点での登録メンバは約50名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書、記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介>WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。出版社を経てフリーランスとして独立。ライター、エディター、デベロッパー、講師業に従事。屋号は「たまデジ。」。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)
静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるLaravel実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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