AIが作ったUIはなぜ「使いづらい」のか? 「操作できる」と「使える」を分けて、100点に引き上げる「4つの評価観点」
AIの出力に“デザインの視点”をプラスする ──エンジニアのためのUX改善入門 第5回
エンジニアに求められる「調整力」とUIの評価
ここでいう調整力とは、AIが生成したUIをユーザーの文脈に照らして見直し、違和感を見つけて改善する力です。一から美しいデザインを生み出す才能ではありません。すでにある画面を評価し、どこを直せばユーザーが目的を達成しやすくなるかを判断する力です。
では、デザイナーはどのようにしてその力を身につけているのでしょうか。特殊な感覚でユーザーの気持ちを推し量っているわけではありません。実際にはユーザーリサーチを行い、ユーザー本人に使い勝手を尋ね、操作する様子を観察しています。その結果から、どの情報を省けるか、どのようなメッセージを出すべきかを考えています。
筆者も以前、デザインを学ぼうと多くの本を読みました。しかし、そこに載っていたのは「このデザインなら必ずわかりやすくなる」といった正解ではありません。ユーザーテストで何を観察し、どのようなフィードバックを受け取るかという手法ばかりでした。つまり、デザインの明確な答えが書かれている本はなかったのです。
かつてニュースサイトを構築した際、若者から高齢者まで実際にインタビューを行い、「なぜこのページに来るのか」「何のためにその記事を読むのか」を確かめました。ソフトウェア開発においてよく言われるように、UI/UXデザインにも銀の弾丸はありません。ユーザーを知る作業を地道に重ねるしかないのです。
理想は、UIを作る前にユーザーインタビューやユーザーテストを行うことです。それが難しい場合でも、主要なユーザーと利用目的を言語化してください。すべての世代が使うサービスであっても、最も重視するターゲットや、誰でも使えることを優先するといったプロダクトの方針は決められます。調整の基準になるのは、作り手の好みではなく、ユーザーとプロダクトの目的です。
AIの80点を100点に引き上げる「4つの評価観点」
ユーザーの目線に立ってUIを見直すときは、これまでの連載で扱った4つの観点を活用します。
- シグニファイア:操作できることが伝わるか。ボタンやリンクが押せるものとして見え、押すと何が起きるかを予測できるか。
- フィードバック:操作したあとに何が起きているかわかるか。処理中、成功、失敗の状態が伝わり、反応がないと誤解されないか。
- UXライティング:ユーザーが次に行動できる言葉になっているか。システム側の説明で終わらず、次に取る行動がわかるか。
- 情報設計:必要な情報が適切な順序で出ているか。主要情報と補助情報が分かれ、目的までの導線が見えるか。



調整力とは、これら4つの観点を用いて、自身やAIが作成した画面を改めて見直し、ずれがあれば修正する力です。作っている最中には気づかなかった使いにくさも、観点を定めて確認することで見つけやすくなります。
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折原レオナルド賢(オリハラ レオナルド ケン)
株式会社サイバーエージェントに新卒入社し、新人賞を受賞。LINEビジネスコネクトAPIやAIカスタマーサポートプロダクトの開発に携わり、インフラ設計、フロントエンド開発、デザイン、UI/UXなど幅広い領域を経験。その後、LINE株式会社にて、7,500万MAUを超えるLINE NEWSのフロントエ...
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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