Mashup Awards 4thにおけるWeb API
筆者も開催事務局の一人として加わっている、最大のMashupアプリケーションのコンテスト「Mashup Award」は、今回で第4回を迎える事になりました。第4回目となるMashup Awards 4thは、Web API提供企業を中心に37社の協力企業とともに開催されています。
ここでは、第1回目から大きく様変わりしたMashup Awards 4thのWeb API企業のサービスを眺めながら、Mashupの今後を考えていきたいと思います。Web APIには次のようなものが存在しています。
データ公開手法の1つとしてのWeb API
リクルートをはじめとして、多くのネットサービス企業が、自社サービスの新たな活用法を探し、ニッチ向けサービスを幅広く一般開発者に作成してもらうため、Web APIを公開しています。自社で収集したデータに「ただ乗り」されてしまう可能性を認識しつつも、自社サービスを浸透させ、アフィリエイトの拡大や、最終的なトランザクションを自社サービスに結びつける目的でAPIを公開していると言えます。
ユーザー情報収集のためのWeb API
Web 2.0企業にとって、いかにユーザーから情報を提供してもらうかは、彼らのビジネスに直結します。より多くのユーザーに情報を提供してもらい、かつユーザーに利用してもらうためのハブとなれるよう、これらの企業は1つのサービス形態としてWebAPIを公開しています。
一般ユーザーによりガジェットやツールが拡充し、さらに自己増殖的にコミュニティが拡大していく手法は、Web 2.0企業の成功パターンとも言えます。
サービス提供のためのWeb API
Web APIが、データ提供や情報収集に直接的に結びついていないものも存在します。自社の持っているアプリケーション、データ・サービスをネットワーク経由で使ってもらうことに主眼をおいてAPIが公開されている場合です。サービスの認知度を上げることだけでなく、自社のソリューション・ビジネスの展開のために、APIを公開しているケースも見受けられます。
他業種からのネットワークサービス化Web API
富士ゼロックスのネットプリントサービス、日産自動車のテレマティクスサービス「カーウイングス」などは、インターネット上のWebプラットフォームに閉じがちなMashupに新たな風を吹き込むサービスです。プリンタ、車・カーナビといった、これまでネットワーク・サービス企業でない(こう書くと誤解を招くかもしれませんが…)企業が、境界線を越えてネットワーク上のサービスと繋がると、新たなことが数多く起こるのだろうことが容易に想像できます。
Mashupプラットフォーム・サービス
ネットワーク型の開発、Mashupの発展を想定し、これらの開発実行環境自体を取り込もうとするサービスも登場しています。Googleや、Yahoo!、SalesForce.comなどは、その代表格ですが、この流れは新しいプラットフォームのネットワークサービス化を意味しています。
以前、Ningの登場時にはSocial Applicationというキーワードが話題になりましたが、Mashupの原点「簡単に開発を」というコンセプトがさらなる発展を遂げていると言えます。将来、Mashupアプリケーションは、どこにどう存在すべきかを考える必要があることを、示唆しています。