Hello,World!を表示する
次に、このプロジェクト上で「Hello,World!」を表示させてみましょう。実際の開発ではユーザーインターフェイスの構築にExpression Blendを使う場面も多いかと予想されますが、今回はとりあえず簡単のためVisual Studio 2008で構築します。
まず[表示]-[ツールボックス]を選択しツールボックスを表示します。ツールボックスには各コントロールが収納されています。
ツールボックスのコントロールから[TextBlock]を選択し、Page.xamlにドラッグ&ドロップします。今のところプレビューペインにドロップすることはできません。XAMLエディタペインにドロップしましょう。最初から配置されているGrid
タグの下(<Grid>~</Grid>の間)に入るように配置します。
配置できたらTextBlockコントロールに属性を与えましょう。<TextBlock>開始タグの中でスペースを入力すると指定できる属性の一覧が表示されます。「x:Name」を選択し、値として"Hello"を入力します。x:NameはXAML内でオブジェクトを一意に識別する属性です。さらにスペースを空けてText
属性を選択し、"Hello,World!"を入力しましょう。Text
属性は表示するテキストを指定する属性です。入力するとプレビュー画面に反映されます。
では、コンパイルして実行しましょう。メニューから[デバッグ]-[デバッグ開始]を選択します。実行に必要なファイルが生成され、自動で既定のブラウザが立ち上がります。ブラウザ上に"Hello,World!"と表示されれば成功です。
Silverlight Toolsが多くのファイルを自動生成してくれるため、Silverlight 2開発特有のルールを意識することなくアプリケーションを実装することができました。
実際にサーバ上に設置する際にはメニューから[ビルド]-[ソリューションのビルド]を選択します。プロジェクトを作成したディレクトリに呼び出し元のhtmlファイルやSilverlightコンテンツの本体が格納される「.xap」形式のファイルなどが生成されます。公開する場合は生成されたディレクトリをサーバにアップロードします。
「.xap」はzip形式の圧縮アルゴリズムを利用したファイルです。拡張子を.zipに変更することで、Windowsエクスプローラから中身を確認することもできます。
まとめ
連載の初回ではSilverlight 2の紹介を扱いました。今までは複雑な業務アプリケーションでブラウザやRIAを利用することは、それほど一般的ではありませんでした。しかし、Silverlight 2はプラグインを介すことにより、Webブラウザ上で.NET技術を利用できます。
今後、複雑な業務アプリケーションを、開発者が使い慣れた.NET技術に基づくSilverlight 2で作る機会は確実に増えてくるでしょう。今のうちから準備を始めておくべき技術の一つだと言えます。
さて、今回はSilverlight 2を業務で活用することのメリットに着目して紹介しました。次回以降は実際にコントロールを使って業務にSilverlight 2を活かすという観点からサンプルを取り上げます。