柳井です。 最近、貴志裕介の「天使の囀り」という本を読みました。この本を読みながら考えたのは、「調査による知識の深さ」と、「調査によらない知識の広さ」ということでした。本作からは、「調査による知識の深さ」を強く感じました。しかし、「調査によらない知識の広がり」をあまり感じられない読後感を持ちました。 なぜそう感じたのか考えたのですが、理由は各登場人物の言動や行動が、それぞれの専門分野に特化し過ぎているからだと思います。本のジャンルがホラーのために、登場人物に遊びの部分を入れにくかったという事情もあるのかもしれません。しかし、そういった部分がないために、広がりを感じられませんでした。 目的に合致したものを高度に作ると、遊びの部分が極端に狭められる危険性があります。本作は、よくできていましたが、その点が気になりました。 |
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連載お気楽マンガ。火を吐ける生物は怪獣!? 毎週火曜日更新。
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柳井 政和(ヤナイ マサカズ)
クロノス・クラウン合同会社 代表社員http://crocro.com/オンラインソフトを多数公開。プログラムを書いたり、ゲームを作ったり、記事を執筆したり、マンガを描いたり、小説を書いたりしています。「めもりーくりーなー」でオンラインソフト大賞に入賞。最近は、小説家デビューして小説も書いています(『裏切りのプログラム』他)。面白いことなら何でもOKのさすらいの企画屋です。
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