はじめに
本連載では、PHP上で動作するアプリケーションフレームワーク「Zend Framework」と、Googleの提供するサービスを扱うための関数の集合体である「Google Data API」との連携について紹介します。Zend FrameworkのZend_Gdataというパッケージを使用することでGoogleカレンダーなどを利用したアプリケーションを開発することができます。
今回はGoogle Spreadsheet APIを使用してGoogle Spreadsheetサービスを使ってみましょう。ExcelやCSVといったGoogleスプレッドシートに分類される文書をサーバ上で扱うことができます。直接編集するだけでなく、アプリケーションで使用するデータの保存場所としても利用できるので、今回はちょっとしたデータベースとして使用してみます。
対象読者
PHPの基本構文は一通り理解しており、フレームワーク、Google Spreadsheetサービスに興味のある方を対象としています。
必要な環境
Zend FrameworkはPHP 5.1.4以降とWebサーバがインストールされている環境で利用可能です。またGoogleサービスによってはログインするためにOpensslが必要となります。
以下に、今回アプリケーション作成/動作確認に用いた環境を示します(インストールにあたっては最新安定版の使用を推奨します)。各項目の詳細なインストール手順は、「サーバサイド技術の学び舎 - WINGS」より「サーバサイド環境構築設定手順」、また「Zend Framework入門(1):フレームワークの全体像とインストール」をご参照ください。
- Windows Vista Home Edition
- PHP 5.2.9-1
- Apache 2.2.11
- OpenSSL 0.9.8i
- Zend Framework 1.8.0
LinuxやMacintosh、FreeBSDなどUNIX系OSをお使いの方もコマンドはほぼ一緒ですので、パスなどは適宜読み替えてください。
また、前回同様にGoogleアカウントを取得していることが前提となります。ひとまずサンプルを試すのであればそのアカウントでかまいませんが、データの削除等も行えるサンプルですので、データの管理には注意してください。
Google Spreadsheetとは
Google SpreadsheetとはGoogleの提供するオンライン表計算ソフトのようなものです。前回紹介したGoogle Docsサービスの一機能となっており、Excel文書やCSVといったGoogleスプレッドシートに分類される文書をオンラインで作成、編集することができます。
Zend_Gdata_Spreadsheetでできること
今回取り上げるZend_Gdata_Spreadsheetでは、スプレッドシートのデータの検索、登録、削除を行うことができます。
ちなみにプログラム上でスプレッドシートの新規作成は行えません。新しいスプレッドシートは前回のテーマであったZend_Gdata_Docsを使用してアップロードをする必要があります。