エンバカデロは25日、同社が提供する統合開発環境の最新版「Delphi 2010」「C++ Builder 2010」「Delphi Prism 2010」のリリースを発表し、都内で製品発表会を行った。この3製品を内包するフルスイートソリューションとして「Embarcadero RAD Studio 2010」も同時に発売する。
エンバカデロ・テクノロジーズ日本法人代表の藤井等氏は、コンピューティング環境の新しいトレンドについて「タッチパッドやモバイルデバイスによるナチュラルインプット」「FacebookやTwitterといったソーシャルネットワーキング環境」を挙げ、新製品でこの分野への対応をいち早く行ったと述べた。
「Delphi 2010」「C++ Builder 2010」では、さまざまな機能が強化されているが、大きなトピックとしては次の3点が挙げられるという。
タッチコンピューティングのサポート
Windows 7でサポートされるマルチタッチ機能をはじめ、Windows 7以外のWindowsでのタッチコンピューティングをサポートした。タッチ機能はVLCコンポーネントに統合されているため、従来のアプリケーションにもすぐに導入できるようになっている。
タッチしながらオブジェクトを動かす「ジェスチャー」については、あらかじめ30以上の標準的ジェスチャーを搭載しているほか、任意のジェスチャーを作成できる「カスタムジェスチャーエディター」も用意されている。
多様なデータコネクティビティのサポート
以前から多くのDBをサポートしてきたDelphiだが、新たにFirebird 2.1.1/1.5もサポートした。開発者はDBを意識することなく開発でき、DB固有の命令についてはIDEが適切な形でフォローするため、それぞれのDBの特徴を生かしつつ、共通性を持たせた開発が行える。
近年、Web APIの充実により、データソースを「自アプリケーション外」に求めるケースも増えてきている。前バージョンより実装されているCOMに依存しない軽量フレームワーク「DataSnap 2010」では、HTTPコミュニケーションの分野を強化した。ファイヤーウォール外のクライアントのためのHTTPトンネリングや、REST、JSONフォーマットの対応などを行っており、これにより、JavaScriptやPHPなどからもデータソースを利用できるようになったという。
開発生産性の向上、Windows 7 APIへの対応
IDEの新機能として、キーストロークのみでIDE全機能にアクセスできる「IDEインサイト」が用意された。その他、コードの整形、バックグラウンドコンパイル、C++クラスエクスプローラ、デバッガの強化等、機能強化された点は多岐に渡っている。
また、Windows 7 APIもサポート、注目されている「Direct 2D」にも対応しているという。
再評価され始めたDelphi
Delphiを取り巻く環境はどうなのかという質問に対し、「ここのところコミュニティや、既存導入企業などを中心に再び盛り上がり始めている」と藤井氏は述べ、その動きを紹介した。
特に企業においては、現システム導入から年月が経ち、リニューアルする話が持ち上がるのだが、丸ごと入れ替えるのではなく、予算や信頼性の観点から現システムを再利用しながら延命させていくケースが増えてきた。
以前であれば最新技術やオープンシステムへの移行も多かった案件だが、技術に対する知識が浸透し、無理に最新技術を使わなくともネイティブアプリで問題ないと判断したり、ネットワークを使うからといってブラウザベースにする必要はないと判断したりする場合がある。そういった理由から「再びDelphiが注目されてきている」(藤井氏)という。
「Embarcadero RAD Studio 2010」「Delphi 2010」「C++ Builder 2010」「Delphi Prism 2010」は本日25日より全世界で提供が開始される。ダウンロード版とパッケージ版が用意され、ダウンロード版はすぐに入手が可能。パッケージ版は26日より販売され、9月中旬頃出荷される見込みとなっている。
【関連リンク】
・RAD Studio
・Delphi from Embarcadero
・C++Builder from Embarcadero
・Delphi Prism
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