Windows Azure
ここからは、Windows Azureに追加された新機能について紹介します。
VM Role
VMロールとは、利用者が作成したWindows Serverの仮想マシンそのものをWindows Azure上にホストして実行できる機能です。
従来のWebロールやWorkerロールでは難しかった既存アプリケーション移行、各種ソフトウェアのインストールなどが容易に実現できます。VMロールは仮想マシンそのものであるため、より管理の柔軟性の増したロールと言えるでしょう。ただし、その柔軟性と引き替えにパッチ適用などの保守運用は利用者が行う必要があります。
利用可能なOSのバージョンは、Windows Server 2008 R2のみですが、2011年中には、Windows Server 2003/2008が追加される予定です。
下図の通り、VMロールは管理の自由度は増しますが、自動アップデートといった運用の容易性のメリットが薄くなってしまいます。VMロールを採用する前に、Web/Workerロール+管理者権限の組み合わせを検討するとよいでしょう。

現在のVMロールは、利用するまでに大きく3つの作業が必要です(図6)。ただし、将来はWindows Azure上で仮想マシンの作成ができるようになる予定です。
- オンプレミスのHyper-V上で仮想マシンを作成し、VMロール向けのコンポーネントをインストール
- 作成した仮想マシンをコマンドラインツールでWindows Azure上へアップロード
- アップロードした仮想マシンを使用するVMロールプロジェクトをデプロイして起動

VMロールの利用には、ベータプログラムへの申し込みが必要で、別途コンピューティング利用時間が課金の対象となっています。ただし、これらの中にライセンス料金が含まれているため、別途VMロール用にライセンスを購入といったことは不要です。
Extra Smallインスタンス
Extra Smallインスタンス(XSインスタンス)は、Smallインスタンスより、さらに低コストなインスタンスを提供します。検証、開発、テストに向いたインスタンスで、負荷の高い作業には向いていません。
以下はインスタンス別の違いをまとめたものです。CPU、メモリ、ローカルストレージおよびIO性能がSmallインスタンスより制限されていることが分かりますが、料金は従来の半額程度となります。
| サイズ | CPU | メモリ | ローカル ストレージ |
IO性能 | 課金 | 課金 (円) |
1ヶ月 利用時 |
| XS | 1.0GHz | 768MB | 20GB | 5Mbps | $.05/h | ¥4.9/h | ¥3,528 |
| S | 1.6GHz | 1.7GB | 225GB | 100Mbps | $.12/h | ¥11.76/h | ¥8,467 |
| M | 2 x 1.6GHz | 3.5GB | 490GB | 200Mbps | $.23.52/h | ¥23.52/h | ¥16,934 |
| L | 4 x 1.6GHz | 7GB | 1000GB | 400Mbps | $.47.04/h | ¥47.04/h | ¥33,869 |
| XL | 8 x 1.6GHz | 14GB | 2040GB | 800Mbps | $.94.08/h | ¥94.08/h | ¥67,738 |
Windows SDK 1.3をインストールすると、Extra Smallインスタンスの指定が可能となります(図6)。ただし、利用には、ベータプログラムへの申し込みが必要です。また、サブスクリプションに付属する無償利用時間には、Extra Smallインスタンスは含まれず、別途課金されるため注意が必要です。

