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デブサミ2011レポート
ジオロケーションサービス開発の生産性向上、地域情報流通量の増大を図る情報基盤

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2011/03/16 14:00

 今ではパソコンやiPhoneやAndroidなどのスマートフォンなど、様々なデバイス向けに展開されているジオロケーションサービス。しかしそのサービスを実際に作ろうと思うと、様々な困難に直面する。その問題を解決するため、今、ヤフーでは地域・生活圏情報の流通を目的とした情報基盤「Yahoo! Open Local Platform(YOLP)」を作っている。その仕組みについて、佐藤伸介氏が詳しく解説した。

 今ではパソコンやiPhoneやAndroidなどのスマートフォンなど、様々なデバイス向けに展開されているジオロケーションサービス。しかしそのサービスを実際に作ろうと思うと、様々な困難に直面する。その問題を解決するため、今、ヤフーでは地域・生活圏情報の流通を目的とした情報基盤「Yahoo! Open Local Platform(YOLP)」を作っている。その仕組みについて、佐藤伸介氏が詳しく解説した。

ヤフー株式会社 BS事業統括本部 地域サービス本部 企画リーダー 佐藤伸介 氏
ヤフー株式会社 BS事業統括本部 地域サービス本部 企画リーダー 佐藤伸介 氏

簡単・儲かる・使ってもらえるを実現する情報基盤「YOLP」

 90年代インターネットが普及するにつれ、初期の場所案内から、位置ゲー、さらにはAR(拡張現実)機能を搭載するなど、発展してきたジオロケーションサービス。

 しかしながら実際にジオロケーションサービスを作ろうと思うと、「様々な困難がある」と佐藤氏は続ける。「例えばAというサービスを開発する場合、PCやiPhone、Androidなど、デバイスごとに開発していかないといけないのが現状となっている」。

 それだけではない。地域情報サービスでは飲食店や宿泊施設の情報、ニュース、イベント、地図、気象など地域での生活や行動に役立つあらゆる情報が提供されている。「しかし問題なのは、これらの情報は扱いが難しいことだ」と佐藤氏は指摘する。

 例えば国内の店舗情報は現在、約600万件登録されているが、1年間でそのうちの約20%入れ替わるという。情報の鮮度の維持および網羅性の担保が困難な情報なのである。しかもその大半が電話番号や住所というプアな情報で、リッチ情報も少ない。

 また間違いがあると、すぐにクレームにつながるのも地域・地理情報を扱いにくくしている。さらにデータの標準化が進んでおらず、網羅的に扱えるような情報は世の中に存在していないことも問題である。さらに扱うためには、例えば住所を明記していいのか、写真は出していいのかなど、情報を扱うのにはそれなりに専門性も求められる。非常に厄介なデータなのである。

 このようなジオロケーションサービス開発に付きまとう様々な問題を解決するのが、地域生活権情報の流通を目的とした情報基盤「Yahoo! Open Local Platform(YOLP)」なのだ。「開発者の生産性向上と地域情報流通量の増大が目的だ」と佐藤氏は力強く語る。

 YOLPには3つのコアバリューがある。第一は「簡単に作れる」。地図・ローカルサーチAPIやマルチデバイス対応APIを提供するなど、簡単に拠点情報を扱えるようにしている。第二が「儲かる」。ローカルマッチや情報提供料課金など儲かる仕組みを用意している。第三は「誘導が取れる」こと。せっかくサイトを作っても誰も来てくれなければ、情報提供するモチベーションが下がる。そこでYahoo! JAPANからはもちろん、外部サイトからデータを提供したサイトに合う顧客を誘導する仕組みも考えている。

 佐藤氏はYOLPの仕組み図を見せて、より具体的にシステムを解説。「YOLPストレージは、緯度経度を持った世の中のすべての情報を格納する仕組み。ここにはYahoo! JAPANのほか、地域系サイトやメディアコンテンツサイト、一般企業、官公庁、ブログやSNS、WiKi、写真、動画サイトからの情報のほか、地域にある小さな店舗のオーナーなどの情報も網羅する。オーナーが直接入稿する地域情報マスターを用意している」(佐藤氏)。格納データはYahoo! JAPANの提供データだけでも600万レコード。パートナーが28社いるため、すべて合わせた格納データは1100万レコードだが、日々同社の営業が賛同者を募っているという。これらのデータはすべて開放される。

YOLPのテクノロジー

 サービスの概要に続き、YOLPに使われているテクノロジーも佐藤氏は紹介。YOLPに蓄積されるデータはすべて、YDF(実態はXML)で定義される。これにより地域生活権情報が簡単に取り扱えるようになるというのだ。デバイスの多様化にも対応した統合テクノロジーも提供している。「これらの情報はすべて、Yahoo!デベロッパーネットワークで閲覧できる」と佐藤氏。また利用可能な拠点情報は2月10日現在52カセット紹介されており、ローカルサーチAPIで利用可能だ。

 パートナーから収集されたデータの中には、例えば同じ店舗の情報も出てくる。また異なる名称だが実際は同じ店舗情報のこともある。そういったデータを紐づける名寄せAPIも用意している。地図表示についても、Googleマップと同様なものにならないよう、22種類もの地図を用意している。「リスティングと地図も、ほんの少しのコードで連携が可能になるという。JavaScript Map APIはプラッカブル仕様で、「今後は、Githubなどでプラグイン開発を展開していきたい」と佐藤氏。デバイスごとにMAP APIのほか、標高や測地系変換APIなども提供するという。

 Yahoo! JAPANでは、新たな地域生活圏情報サービス「Yahoo!ロコ」を4月上旬から開始する。最後に佐藤氏は「みんなでジオロケーションを盛り上げていこう」と語り、セッションを締めくくった。

YOLPはみんなで地域情報を入れ、みんなでその情報使うと相互利用の仕組み
YOLPはみんなで地域情報を入れ、みんなでその情報使うと相互利用の仕組み

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